「年金生活者割引ないの?」料金は交渉次第
日本では宿泊施設で料金交渉することはあり得ないが、海外ではとにかくトライすべきである。米国のモーテルは個人経営が多いのであれやこれやとおしゃべりしながら楽しく値引き交渉をする。
60歳以上(senior citizen)であれば5%~10%割り引くところが大半なので先ずは年金生活者(pensioner)であることを訴えてみる。それから三種の神器の冷蔵庫、電子レンジ、フリーWIFIのどれかが欠けていれば条件闘争する。交渉結果最終提示(best offer)が微妙なレベルであれば結論を留保して「良い条件とは思いますが念のため他も見てきます」( I guess you gave me your best. However,to make sure,let me see some other. Probably we will be back soon. See you then )みたいな多少丁寧な挨拶をしておくと他のモーテルで交渉するときに余裕を持てる。
やっぱり手ごわい、インド人オーナーは最強の商売人
全国チェーンのなかでもBest Western, Comfort Inn, Holiday Inn,
Howard Jhonson, Ramada,などは料金帯が70ドル以上であり看板を見ただけでパス。
大手チェーンでもEconolodge, Motel6, Super8, Travelodge, Rodeway Innなどは料金帯が比較的低く場所によっては50ドル程度で宿泊できた。これら大手チェーンのモーテルは実際には個人オーナーが所有していてフランチャイズ契約で大手チェーン傘下となって営業しているケースが大半だ。個人オーナーなら料金は交渉可能(negotiable)である。
そして驚いたことに個人オーナーはほとんどインド人である。家族経営が多く娘や嫁が受付をしていて交渉しているとオーナーのインドのオジサンが出てくることになる。
印僑の伝統があるので商売上手で交渉は手ごわいが最終的にほとんど妥結する。地域環境、ロケーション、曜日、時間帯、競合相手、天候などを総合判断してギリギリの条件を提示してくるので我々としても納得しやすいのである。こういうプロの手ごわい交渉相手と丁々発止していると大脳が活性化する。勿論美人の娘さんとの交渉のほうがもっと楽しいが。
どうして米国で個人経営のモーテルの大半がインド人オーナーなのか何回か聞いた。中国人は洗濯屋、インド人は安宿という歴史的背景があるようだが納得できる回答は得られなかった。小資本でスタートして次第に拡大するという印僑の伝統的スタイルにマッチしたこと、家族経営にふさわしいビジネスなので大家族主義のインド人にマッチしたことなどいくつか理由があるようだが判然としない。
⇒(第4回に続く)
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