迷走する日本の「働き方改革」への処方箋
問題の本質とメカニズムを解明し、多様な働き方に対応する制度を提唱すべく、このシリーズの執筆に取り掛かりたい。(画像:iStock / Getty Images Plus /wildpixel)
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2019/07/26 立花 聡
終身雇用という「OS」が使えなくなり、「非終身雇用」という新たな「OS」に取って代わられようとしている。従来の旧OSに機能してきたアプリは、新OSにそのままインストールできない。このように、「OS」と「アプリ」という2大問題が横たわってい…
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2019/07/04 立花 聡
終身雇用制度はかつて日本経済の繁栄を裏付ける社会的基盤として賛美、謳歌されてきた。いざ崩壊のカウントダウンに入ってみると、その「副作用」ないし「有害性」がじわじわと表面化してきた(参照:「終身雇用」に奪われたもの、日本人サラリーマンの3大…
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日本社会の「怪」を暴く
2019/06/13 立花 聡欧米系の企業は基本的に会社の貢献に見合う賃金を払うポリシーであるから、生産性カーブと賃金カーブはほぼ同期している。ところが、日本企業は終身雇用制度を採用しているため、生産性カーブと賃金カーブの乖離が常態になっている。
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「人材育成」の正体とは
2019/06/05 立花 聡経団連の中西宏明会長やトヨタ自動車の豊田章男社長が相次いで日本における終身雇用制度の継続が難しいとの認識を示し、雇用慣行の見直しを呼びかけた。これを受けて、終身雇用を悪者扱いするような論調も出始めた。だが、単純な善悪の二極化ほど危険なもの…
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池袋暴走事故から考える「全体最適」の仕組みづくり
2019/04/27 立花 聡池袋の事故をきっかけに高齢者の運転を禁止すべきだという声も上がってきている。同類事故の発生を最小限に抑えるという意味で、高齢者運転禁止の法改正がもっとも手っ取り早い。ただ問題はそう単純ではない。
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「和を以て貴しと為す」の誤解
2019/04/12 立花 聡日本社会の根底に横たわる問題の数々。その本質(What)を見逃して、事件があるたびにその当事者(Who)を「悪」として叩く。それでは問題解決どころか、責任逃れや隠ぺい行動を助長すらしかねない。
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2019/04/03 立花 聡
今の日本は会社や組織だけでなく、社会においても、「対人型」(Who)でなく、「対事型」(What)の議論を理性的に展開できる土台が必要とされている。
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2019/03/27 立花 聡
「深く考える」とは、自分の判断や行動を否定する「もう1人の自分」が存在すること、そしてその「もう1人の自分」とリアルな自分とが対話することを前提とする。言いかえれば、自己否定のできるもう1人の自分の存在が求められている。
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「転勤制度」の正体とは
2019/03/25 立花 聡私も転勤に苦い思い出をもつサラリーマンの1人だった。20年前、香港駐在中に日本への帰任辞令を受け取ったとき、ひどく落ち込んだ。帰任してみると、東京の職場は厳然たるタテ社会の人間関係が存在し、数日も経たないうちに、「先輩を崇拝せよ」と冒頭に…
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2019/03/18 立花 聡
そもそも「弱肉強食」という概念は決して、単純な「強」「弱」の二項対立ではない。資本家と労働者という強弱の二項対立は、マルクスが生きていた時代の現象だった。現下の世界ではより複雑化、相対化しているのである。
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2019/03/06 立花 聡
私はアジアで長く経営コンサルタントの仕事をやってきたが、こんな制度を見たこともない。現地の人に聞いても、「約束手当」によって将来が保障されるなど想像すらできないし、たとえそれがあっても絶対に信用しないというのである。
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2019/01/31 立花 聡
格差をなくすという意味において、しばしば「同一労働同一賃金」の原則が持ち上げられる。しかし、その出自をよく調べると、正確には「同一価値労働同一報酬」と記載されていたことに気付くはずだ。
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2019/01/25 立花 聡
「働き方改革」は「労働市場改革」であって、さらに言えば、「労働市場の流動化」にほかならない。広い既得権益層に多大な影響が及び、政権の基盤を揺るがすリスクをも孕んでいるだけに、デリケートな問題である。
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