健康強者へのバラマキやめ、弱者への配慮を

生存権は、すべての人に平等に与えられている。しかし、健康は平等には与えられていない。弱者と強者とには残酷なほどの格差がある。「命の平等」を保証するには、医療によって健康格差を縮小しなければならない。

混迷するイスラエル司法改革 バイデンとの〝場外…

司法制度改革をめぐるイスラエルの混迷はネタニヤフ首相が法案の採決を１カ月間延期したことで小康状態となった。先行きは全く見えない。そうした中、首相とバイデン米大統領が批判合戦を展開、首脳同士の異例の〝場外乱闘〟で同盟関係の亀裂も深まった。

変わる遺伝子組換え食品表示 消費者どう見ている…

遺伝子組換え食品の表示がこの2023年４月から変わる。どのように変わるのか、これまでの表示をふりかえりながら、消費者の受け止め方の移り変わりも見ていきたい。

大江健三郎 小説と人生に学ぶ物語（ナラティブ）…

３月３日に作家の大江健三郎さんが亡くなられた。実は、大江さんから物語（ナラティブ）のもつ癒す力について私淑させてもらった。追悼する意味も込めて、「癒し」に関連したエピソードを紹介したい。

英仏はブレグジットの傷を癒すことができるのか

3月10日にパリで5年ぶりの英仏首脳会談が開催された。ブレグジット後の関係正常化に向け、歓迎すべき動きだ。ウクライナ戦争など欧州情勢は危機的状況下にあり、こうした関係改善の動きが持続されるかが焦点となる。

最前線は“南”にあり、香港・台湾問題の源流とは？

『越境の中国史　南からみた衝突と融合の三〇〇年』著者インタビュー

本書の帯文に、「最前線は“南”にあり。香港・台湾問題の源流」とある。つまり、今の中国を理解するには華南（南中国）の歴史を振り返る必要がある。多動性・流動性に溢れた近代300年の華南の姿から中国社会を考察してみよう、というのだ。

福島原発メルトダウンの原因追及続ける魂のドキュ…

NHKスペシャル「メルトダウン　File.8　前後編」が掘り起こした新たな事実

「NHKスペシャル　メルトダウン」は福島第1原子力発電所のメルトダウンの原因について、追及の手を緩めずにFile.8に至った。メルトダウンがいかにして起きたのか、それを防ぐ手立てはなかったのか、ジャーナリスト魂を長期にわたって燃やし続けて…

中東で存在感示す中国 イランとサウジが国交回復へ

3月11日、サウジとイランは両国関係を復活させるとの合意を中国で発表した。3カ国の共同声明では、この合意は、習近平の発議で3月6日に始まった話し合いの結果であるとされている。米国がアジアや欧州へシフトする中、中国は中東での影響力を拡大させ…

「最低」選手だった栗山英樹がなぜ世界一の監督に…

『栗山魂』（栗山英樹著）、『スカウト物語』（片岡宏雄著）ほか

WBCで３大会ぶりの優勝を果たした栗山英樹監督。「史上最強布陣」を率いた指揮官は、これまでの侍ジャパン監督とは異なり、野球エリートとは全く異なる道のりを歩んできた。「世界一」に上り詰めた背景を多くの著書から読み解いてみたい。

中国でも一大ブームとなった花見 日本との違いとは

東京をはじめ、全国各地で桜が満開となっているが、東京と似た気候の中国・上海や杭州、蘇州、南京などでも見ごろを迎え、花見客で賑わっている。「桜の名所といえば中国か？」というほどの人気ぶり。日本のお花見とはどのように違うのか。

東京都の「おこめクーポン」なぜ物価対策に現物支…

東京都が物価高対策として、２月下旬から４月末にかけて国産のコメや野菜などの食材と引き換えることができる「東京おこめクーポン」を配布している。江戸時代かと思わせるような施策である。物価高へのそれぞれの対策について順次考えて行こう。

道筋示された豪州の原潜取得 AUKUSは西側同…

米英豪3カ国首脳は、豪州による原子力潜水艦の取得のための、「AUKUS」の協力の具体的道筋を発表した。潜水艦の新造に向けた長期的なスケジュールの他に、それまでの繋ぎとして米海軍の原子力潜水艦を中古で購入するなど、具体化しつつある。

「脱中国」と「バイアメリカン」袋小路の欧州の脱…

ロシアのウクライナ侵略により、西側諸国はエネルギーをロシアに依存する大きなリスクを認識し、一斉にロシア産エネルギー離れを始めた。その結果、中国リスクについても理解し「脱中国」を始めている。ただ、ここに米国が立ち塞がる。

中国にすがるプーチン　習近平の〝思うがまま〟か？

中国の習近平国家主席が３月20日から３日間、ロシアを訪問した。その内容から鮮明に浮かび上がったのは、ロシアが米国への対決姿勢を強める中国の〝手駒〟に成り下がった実態だ。

日韓雪解け 今後の課題は韓国の「政策スイング」…

日韓は徴用工問題と最近の貿易制限措置を巡る緊張低減のための措置を発表した。安全保証上、日韓の協力は欠かすことができないが、依然として韓国での政権交代による「政策スイング」の懸念は残る。

〝シン大谷翔平〟がWBCで見せたもの、与えたこと

WBCで３大会ぶりの優勝を果たした日本代表・侍ジャパンを大谷翔平選手が二刀流としてチームをけん引した。今大会での活躍は当然のことながら、新たな一面を垣間見せ、それが自身の猛奮起にもつながる原動力となっていたことは特筆すべきことだ。

口は禍のもと？高齢者は口には注意しよう

今回のテーマは高齢者の寿命と口（くち）の関係である。表題の「高齢者は口には注意しよう」を読んで、高齢者の失言などにケチをつける内容かと思った読者もいるかもしれないが、それとは違う。正真正銘、口から発生する健康上の災いの話である。

より速く、安全に、遠くへ、人類が開発した情報伝…

人類の歴史において、情報を速く、安全に、遠くへ伝えるのは苦難の連続であった。特に戦場の最前線の情報を司令部に通知することや、外国からの情報をいち早く入手するためにさまざまな工夫がなされたが、その過程で伝達が遅れたり、敵に情報が漏れる、とい…

ロシアで復活の兆しを見せるソ連式の「市民権剥奪…

今のロシアにおいて言論の自由、集会の自由などの憲法の人権条項は簡単に無視され、反戦集会などは政権の弾圧で蹴散らされている。プーチン政権が復活させていないソ連の異議抑圧の慣行はほとんどない。そしてソ連時代にあった「市民権剥奪」という処罰も復…

岸田首相ウクライナ訪問の勝者は？日本に残された…

岸田文雄首相のウクライナ電撃訪問と中国の習近平国家主席のロシア訪問が重なったことは、日本に有利に作用したというべきだろう。「Ｇ７・ウクライナ連合」に対する「北京・モスクワ枢軸」の異様さを鮮明にし進たからだ。