国慶節と中秋節が重なり、例年よりも休みが一日延び、10月1日から8連休となった中国。「史上最も長い国慶節休暇」を中国人はいったいどう過ごしたのか。例年以上の消費の盛り上がりや、旅行動向の変化が報じられている。
期間中の国内の旅行客はのべ7億500万人、国内の観光収入は5836億元(約9兆6300万円)。昨年の国慶節と比較できる7日間に限ると、昨年比で観光客数が11.9%、観光収入が13.9%伸びた。大陸外を旅行したのは600万人超で、300の国内の都市から出発し、全世界の88の国と地域を訪れたという。
国内小売・飲食業の売上高は1兆5000億元(約25兆3500億円)で過去最高となった。一日の平均消費額は昨年に比べて10.3%伸びた。
シェア、「新しい小売り」がブーム
人民日報海外版は10月9日の記事で、期間中、新興の消費が人気だったと振り返った。「モバイル決済、シェア消費などが休暇の新しい流行となり、QRコード決済、シェアカー、シェア自転車、民泊、シェア書斎などが、ショッピング、外出、旅行、レジャーをより気軽なものにしている」
その具体例を報じているのは、10月11日の南方網。「新零售(新しい小売り)」を体験する1日ツアーが人気だったと伝える。「新しい小売り」とは、アリババの馬雲会長が提唱したもの。企業がビッグデータやAIなどの先進技術を使って商品の生産から流通、消費の過程をグレードアップし、オンライン・オフラインのサービスと物流を融合させた新しい小売りのモデルを指す。人気だったツアーはたとえばこんなものだという。
「成都の春熙路で、一軒の服飾店の内部に八つのTmall(天猫、中国最大のECモール)の試着のためのスマートミラーが置かれている。顧客はスマート機能による服飾のコーディネートのおすすめ情報を得られ、画面上で押せば、試着の服が自動的に送られてくる。店中を探し回る必要はない」
このスマートミラーには、気に入った服を持って自分の姿を映せば、その服に関連するさまざまなコーディネートが表示されるという。
旅行での消費は国内、国外いずれも盛んだった。中国経済網は9月29日、旅行サイト最大手の携程を通じたゴールデンウィークの団体旅行と個人旅行の商品の予約は、国内旅行の場合、一人当たり3000元を超え、国外旅行は9000元を超えたと伝えた。これは、中国旅行研究院と携程、中国新聞社旗下の中新経緯研究院が合同で発表した報告書に基づく。
「今年は女性がゴールデンウィークの旅行の主力となった。ゴールデンウィークに携程の団体旅行、個人旅行、クルーズ船、各種旅行プランを予約したのは、60%が女性。消費能力が強く、体力もある31~45歳(33%)と19~30歳(27%)がゴールデンウィークの旅行の主力で、その比率は6割に達した」
また、報告は上半期(旧正月から半年間)の国内旅行の平均支出は855元で、全国民の平均支出は8834元だから、消費支出の10分の1近くが旅行に費やされていることになり、大陸外での旅行も含めると比率はもっと高くなるとしている。