「子どもに権利なんておかしい」?
教育関係者を名乗るあるアカウントのツイートにも注目が集まった。
Togetterのまとめ(https://togetter.com/li/1165522)によれば、このアカウントは、ニュースを引用し「許せない」とつぶやいた俳優の春名風花さんに対して「裁判にするとは色々な方に迷惑をかけましたね。ひどい生徒だ。これが権利? ただの薄っぺらな人格者だね(笑)」などとツイート。
他のユーザーが反論すると、「(茶髪を認めれば)近隣の評判も悪くなり学校の偏差値も下がります」「不良の集まりのような学校は教育以前の問題なんだよ」「茶髪にすることが不良の入口。これは教育界では当たり前のこと」などと反論。
また、他のまとめ(https://togetter.com/li/1164596)によれば、この報道がある以前から「そもそも子供に権利なんておかしいだろ」「徴兵制があれば、発達障害なんか一気になくなりますよ。そんなのは甘ったれ病だからです」「障害者との共生は大迷惑です」「そもそも聖職者に文句を言うなんて僭越だと思わない?」といったツイートを繰り返していたことがわかる。
壮大な釣り(わざと顰蹙を買う発言をして注目を引こうとすること)ではとも推測される中、このアカウントはしばらくしてツイート非公開となった。
ツイッター上では多くの人がこのアカウントの発言に驚いていたが、子どもを管理する側の大人に、このような考え方の人は恐らく存在するのだろう。筆者は以前、ある地方の教育関連の講演チラシに「子どもに権利を与えたらわがままになります!」といった趣旨の言葉が書かれていたのを見たことがある。
その後の報道では、問題の府立高校は茶髪の生徒がいることで学校の評判が低下することを問題視したのではないかと推測されている。学校の評判が下がれば、志望者が減る。大阪府の条例では、3年連続で定員割れとなれば統廃合など再編の対象となるため、教師たちもある意味追い詰められていたのかもしれない。
疲弊した教師が生徒を縛り付け、子ども同士ではいじめが発生する。尾崎豊が「この支配からの」と唱ってからだいぶ時がたったが、抑圧が抑圧を生む構造はまだ終わっていないようだ。
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