2024年12月23日(月)

WEDGE REPORT

2018年2月3日

 トランプ大統領が1月30日夜、内外政策を盛り込んだ一般教書演説を議会で行ったとき、議場で終始硬い表情を崩さなかった白いパンツスーツ姿の女性にメディアの注目が集まった。メラニア大統領夫人である。その笑顔のない表情は、夫人の妊娠中、同氏がポルノ女優と不倫をしていたことにショックを受け、激怒しているからという見方がもっぱらだ。

一般教書演説の行われる議会に姿を見せたメラニア夫人(Mark Wilson/Getty Images)

妊娠中の出来事

 トランプ氏の顧問弁護士マイケル・コーエン氏が昨年の大統領選挙直前の10月、ポルノ女優、ステファニー・クリフォード(芸名ストーミー・ダニエルズ)さん(38)に対し、同氏との関係の口止め料として13万ドル(約1400万円)の支払い契約をしていたというニュースは衝撃的だった。

 仮にクリフォードさんが記者会見などし、騒ぎになっていれば、トランプ氏が当選することができなかったかもしれないからだ。もし事実なら、もみ消し工作が奏功したことになる。これを最初に報じたのはウォールストリート・ジャーナル紙(1月12日付)だった。

 コーエン氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、これらのうわさが2011年ごろから出回っていたと認めながら「トランプ氏はあらためて強く否定している」とコメントするとともに、クリフォードさんの署名入りの声明を発表。この中で、彼女は「私がトランプ氏と性的な関係にあったとか、ロマンティックな情事を持っていたとかいう話は完全な誤り」とし「同氏からカネを受け取ったというのも間違いだ」と否定した。

 米メディアによると、トランプ氏がクリフォードさんと関係を持ったとされるのは2006年。クリフォードさんは売れっ子のポルノ女優で、当時開催された著名人ゴルフ大会でトランプ氏と知り合い、関係を持ったという。

 トランプ氏はこの頃、すでにテレビのリアリティ番組のホストとして有名になっており、「美しい女性に引き寄せられキスをしてしまう」「スターであれば、彼女たちは好きなことをさせるし、なんでもできる」「性器をわしづかみすることだってできる」などと自慢げに発言していた録音テープが明るみに出たりした。

 この話が暴露されて以来、飛行機の隣の席でスカートの中に手を入れられるなどトランプ氏からセクハラ被害を受けたと主張する女性たちが次々に現れた。トランプ氏は「偽ニュース」として取り合わなかったが、全米で広がっている反セクハラ運動「Metoo」の中には、大統領のこうしたセクハラ行為に対する抗議も含まれているのが実情だ。

 メラニア夫人はこうしたトランプ氏を「夫を信じている。すべては夫の政敵が仕組んだこと」などと擁護してきたが、今回のポルノ女優の件は寝耳に水の話だったという。しかも、この不倫は2人がまだ新婚で、初めての子供であるバロン君を身ごもっていた時に行われていたことから、ショックが大きかったようだ。ニューヨーク・タイムズ紙はトランプ夫妻に近い人の情報として、メラニア夫人が夫に激怒したと伝えている。


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