写真を撮ってから追い払ったのだが、何と3日後、再び我が家に戻ってきたのだ。
自宅南側のガラス戸下に敷いてある縁側代わりの簀の子、その上で冬晴れの午後、暢気に昼寝をしていた。再度バケツを鳴らして追い払ったものの、1時間後に舞い戻る……。
困った。どうやら(皮膚病を癒す?)日向ぼっこに格好の場所と思い込んだようだ。このまま家に居つかれると大変である。
念のため市役所に電話してみると、具体的な農作物被害などがない限り、鳥獣保護法で保護されている動物なので、駆除はできないとのこと。ああ無情か。
傷つけずに撃退する方法はないかと考えた。
観察すると、簀の子にやってくるのは昼間のみで、夜間にはこない。あくまで目的はサンシャイン、ねぐらにする気はないらしい。
けれど、頻繁な「タヌキ寝入り」も迷惑。
私の頭にひらめいたのは、家庭菜園で防虫剤として使っていた木酢液である。
木材を乾留して得た酢酸で、強烈な刺激臭がある。タヌキは簀の子の上で横になっていたから、敏感な鼻の先に強い酢酸の臭いが漂ったらたえられまい、と思ったのだ。
さっそく水で2倍に薄め、ブラシに浸して簀の子の端から端まで塗りまくった。
と、意外にも(?)この方法が効いた。
翌日からタヌキはピタリと姿を見せなくなったのだ。簀の子に近寄らないだけでなく、我が家の庭そのものに入ってこない。
そうこうするうち、写メでタヌキの写真を送っておいた孫から返信が届いた。
「タヌキの肉、送って!」
中学生の孫は最近、珍しい食べ物にハマっているのだ。
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