足立倫行のプレミアムエッセイ

2018年2月22日

»著者プロフィール

 写真を撮ってから追い払ったのだが、何と3日後、再び我が家に戻ってきたのだ。

 自宅南側のガラス戸下に敷いてある縁側代わりの簀の子、その上で冬晴れの午後、暢気に昼寝をしていた。再度バケツを鳴らして追い払ったものの、1時間後に舞い戻る……。

 困った。どうやら(皮膚病を癒す?)日向ぼっこに格好の場所と思い込んだようだ。このまま家に居つかれると大変である。

 念のため市役所に電話してみると、具体的な農作物被害などがない限り、鳥獣保護法で保護されている動物なので、駆除はできないとのこと。ああ無情か。

 傷つけずに撃退する方法はないかと考えた。

 観察すると、簀の子にやってくるのは昼間のみで、夜間にはこない。あくまで目的はサンシャイン、ねぐらにする気はないらしい。

 けれど、頻繁な「タヌキ寝入り」も迷惑。

 私の頭にひらめいたのは、家庭菜園で防虫剤として使っていた木酢液である。

 木材を乾留して得た酢酸で、強烈な刺激臭がある。タヌキは簀の子の上で横になっていたから、敏感な鼻の先に強い酢酸の臭いが漂ったらたえられまい、と思ったのだ。

 さっそく水で2倍に薄め、ブラシに浸して簀の子の端から端まで塗りまくった。

 と、意外にも(?)この方法が効いた。

 翌日からタヌキはピタリと姿を見せなくなったのだ。簀の子に近寄らないだけでなく、我が家の庭そのものに入ってこない。

 そうこうするうち、写メでタヌキの写真を送っておいた孫から返信が届いた。

 「タヌキの肉、送って!」

 中学生の孫は最近、珍しい食べ物にハマっているのだ。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

 

関連記事

新着記事

»もっと見る