ソーシャルイベントへ進化
田永:はい、箱と野外イベントという違いはあるものの、フリサンの進化について、伝える意義があると考えています。進化するためにやって来たこととは、どんなことでしょうか?
Shiba:基本的な考え方は、興行ではなく、ソーシャルイベントと位置づけてやってきました。それは主催者と参加者双方が、楽しみを続けることを共通の目的としています。そのために、ゴミは持ち帰る、瓶は没収、泥酔者は隔離するなどの規約を設けて、同意した人だけが入場できる仕組みにしています。
自分がどんなに良いイベントをやってきても、周辺で問題行動が起こると、シーン全体の問題として、活動が出来なくなった過去の教訓が生きています。
このハードルがあることで、パーティーを共に創り続けて行くことに共感した参加者の皆様に来てもらう、そこで得た素晴らしい体験がソーシャルメディアでの拡散、次の共感を得るという好循環を作り出しています。
また、誰でも来られる地域イベントですので、ピースな空間作りを大事にしています。例えば、シャボン玉を来場した子ども達に配っています。子ども達が吹いたシャボン玉がピースな空間を演出します。ちょっと怖そうに見える人や弾けそうな人たちにも、シャボン玉を配ります。大人と子どもたちがシャボン玉を吹くと、その場がピースな空気になって、悪いことをするような雰囲気にはなりません。
ソーシャルな取り組みとしては、産業能率大学との連携プロジェクトとして学生のボランティアを受け入れています。学生にとって、イベント運営、ホスピタリティ、ソーシャルメディアを活用したプロモーションを生の現場で学べるとあってと好評を得ています。
また、記録動画の制作実習などの実践から就職率の高いゼミになっています。
田永:野外イベントの三大苦と言われる騒音、ゴミ、行き過ぎた悪ノリを、共感を生む仕組みで防止し、ロイヤルカスタマーを作ることで克服してきた点が素晴らしいです。Shibaさんら主催者の本気が伝わり、参加者の意識も変わり、地元から応援される。まさに、クリーンで大人なパーティーシーンです。
また、開催初期の段階からSNSでの拡散によるプロモーションをしていたとは、デジタルマーケティングの先駆者ですね。(参考 http://socialmediaexperience.jp/982)
Shiba:元々、イベントプランナーとしてキャリアをスタートさせましたが、現在では、起業して地域のコミュニティーデザインや地域活性のコンサルティング、SNSを活用したマーケティングや大学での講師、それにトランペット奏者など、自分でも何をやっているか分からないくらい、活動が広がっています。フリサンについても、最近、ライフスタイルデザインにさらに力を入れています。