2024年11月22日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2018年7月15日

格差と競争の韓国社会から離れて自分の進路を考える韓国女子

 9月26日。コ・キュンリンというソウル出身の広告PR専攻の大学3年生がチェックイン。2年間休学してアルバイトして旅をするという生活をしているという。日本のアニメが好きで衛星放送でスラムダンクを一緒に見ながらモンゴル焼酎を飲んだ。

 彼女の話を聞いて韓国の競争社会が想像以上に過酷であることが分かった。スラムダンクのような高校生活が羨ましいという。韓国の普通の高校では授業開始は8時半で授業が終了するのは夜9時~10時。すなわち1日12時間も授業があるというのだ。

 それゆえクラブ活動はほとんどない。スラムダンクや高校野球というスポーツ文化そのものが有り得ない高校生活。大学でも公務員や財閥企業に就職するために成績競争に明け暮れる。そして就職すれば過酷な昇進競争に勝ち抜くために毎日深夜まで残業。

 つねにプレッシャーとの戦いを強いられる韓国社会が心底嫌になってしまった。彼女は韓国社会を忘れるために海外旅行をしている。そして日本の田舎をのんびりと旅行して日本社会の素晴らしさを体験して感動した。

 “韓国社会を思い出すのも嫌”という彼女の言葉が耳に残った。

ハングルで美容室(ミヨンシル)と書かれている

「朝までおしゃべりしましょう」韓国娘二人と徹夜談義

 10月7日。8時頃からビール、ワイン、モンゴル焼酎を飲みながらデパートの総菜売り場で買ってきた料理を並べてゲストハウスのリビングで晩餐。韓国の男女四組も加わり旅談義。そのうちの一人はソウル大修士課程で材料工学専攻、新素材を研究している才色兼備。なんと日本語、英語、スペイン語、中国語と何でもしゃべる。

 才色兼備の旦那は企業に勤務する技術者で日本車購入を検討しているという。ホンダのアコードとトヨタのカムリのいずれを選択するべきか質問してきた。どちらもベストセラーカーであるが、正直なところその方面の知識がない。

 もう一人の男子も知的風貌をしており旅の真の醍醐味は名所旧跡探訪ではなく現地人や旅行者との交流であると述べてオジサンの見解を質した。オジサンは我が意を得たりとばかりにモンゴル焼酎で乾杯。

 9時半頃に上述のコ・キュンリンも宿に戻り宴会にジョイン。それから延々と人生論を語る会に。結局才色兼備とコ・キュンリンを残して零時前に三人が退散。オジサンも退散しようと思った瞬間、才色兼備が「明日はソウルに帰るだけだし、朝までおしゃべりしましょうよ」と提案。コ・キュンリンも即座に賛意を表したのでオジサンは逃げ場を失ってしまった。朝の5時までまったりと談笑した次第。

⇒第5回に続く

  
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