2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年7月24日

 その他にも、以下のような関連情報がある。

 6月28日、中ロ両国が対北朝鮮制裁の緩和に向けた安保理報道声明案を提案したが、米国などが反対し、廃案となった。

 米国防情報局(DIA)は、北朝鮮に全ての核計画を申告する意思はなく、核弾頭や生産施設を隠そうとしている証拠があることを明らかにした。6月30日付のワシントン・ポスト紙は、寧辺の二倍の生産能力を持つ秘密の地下濃縮工場が北朝鮮には存在すると報じた。

 7月1日付のウォールストリート・ジャーナル紙によると、咸興のミサイル製造工場が拡大されている。この工場は固体燃料弾道ミサイルを生産する工場である。更に近隣地域では、ミサイル生産施設2カ所が稼働している。

 7月1日付のニューヨーク・タイムズ紙は、非核化のやり方について、ポンペオとボルトンの間の違いが表面化している、と報じた。ポンペオ側は先ず中止させ、その後北朝鮮に暫く時間を与え、廃棄はプロセスの最後にやることを考えようとしている。一方、ボルトンは早期の廃棄を考えている。ボルトンは「核を含む大量破壊兵器の大半を1年内に廃棄できる」と、7月1日、テレビで発言した。

 このような情報を総合すると、北朝鮮は、またしても米国や国際社会をだまし、時間を稼ぎしているように見える。北朝鮮のやり方に変化がなく継続的であるのに対し、米国内の政策態度や国際社会の北朝鮮に対する立場が団結していないのは、気になるところである。
 

  
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