From NY

2018年8月10日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

「衝撃的だった」その理由

 白状すれば、当時小学生だった私はベルサイユのばら、こと「ベルばら」を週刊マーガレット連載中にオンタイムで読んだ。

 中学になって、社会の歴史のテストのフランス革命の部分だけ、私も含めクラス全員が満点に近い点を取ったのも、社会現象ともいえる「ベルばら」のおかげであった。あの「ベルばら」が海を越えて、イタリアの子供たちにも愛されていたとは。

 リサーチしてみると、なるほどテレビ用にアニメ化された作品が、「Lady Oscar」というタイトルでフランスとイタリアで放映されていたそうだ。イタリアはともかくも、舞台となった当のフランスの人たちの反応はどうだったのか、興味がある。

 「何が驚いたって、オスカルがマリー・アントワネットの恋人と結ばれるシーンだよ」

 これはジェームスの勘違いだろう。オスカルはアントワネットの恋人のフェルゼンに思いを寄せていたものの、実際に結ばれた相手は幼馴染のアンドレだった。

 「イタリアのアニメには、セックスシーンを匂わせるようなものは微塵も出てこなかった。いよいよオスカルが服を脱ぐ、というシーンの直前にコマーシャルが入り、その隙にクラス中の仲間たちがお互いに電話をして『おい、見てるか!』と大騒ぎになったんだよ」とジェームスは懐かしそうに思い出して、笑った。

 セックスシーンといっても、今見れば可愛いものである。それでも、たしかに子供用のアニメにしては十分に刺激的だった。

 マンガといえば、ヒーローもののアクションコミック、あるいは新聞に連載されていたスヌーピーシリーズ、ディズニーなどしか知らなかった西洋人には、ティーン小説がそのまま劇画化されたような少女マンガは未知の世界で、衝撃的だったのに違いない。

 子供の頃はよく大人たちに、「マンガばかり読んでいるとバカになる」と言われたものだった。でもそんな大人たちの懸念をよそに、日本のマンガは海を越えて世界中で評価を受ける時代になったのである。

 いまや世界中どこに行ってもある(品質はともかく)Sushiと並んで、アニメもマンガも現代の日本の文化を象徴するメジャーな存在になった。

 青息吐息のニューヨークの書店業界でも、Mangaは欠かすことのできない人気商品である。ニューヨークに来ることがあったら、英訳されたMangaを参考にして語学力アップをはかってみるのはいかがだろうか。

  
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