メジャーリーグ(MLB)の日本開幕戦に始まり、阪神タイガースの「史上最速」でのリーグ優勝、大谷翔平選手らが所属するロサンゼルスドジャースのワールドシリーズ2連覇と、今年も話題に事欠かなかった野球界。イチロー氏の史上初の日米両方での野球殿堂入りや、「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督の逝去といった歴史の節目となる出来事もあった。
2026年は年明け早々からワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が始まり、また注目が集まりそうだ。2025年の野球をWedge ONLINEの記事から、総ざらいしたい。
<目次>
・「イチロー君、大リーグは甘くないぞ」の声にも動じず、殿堂入りの快挙!元同僚デレク・ジーターも称賛したイチローの「あの」姿勢とは?(2025/01/27)
・選手もビジネスもメジャーに「浸食」される日本野球、MLB東京シリーズの盛況が見せるもう一つの側面、格差拡大への打開策は見当たらず(2025/03/24)
・【追悼・長嶋茂雄さん】生粋のドラゴンズファンから見たとんでもない「残酷」な魅力とは?(2025/6/10)
・阪神「史上最速」優勝にクライマックスシリーズは必要なのか?またもメジャーに客が奪われる!魅力的な日本シリーズへ不可欠なルール変更(2025/09/10)
・もはやメジャーによる日本搾取は止められない?ドジャース2連覇の裏で進む日本球界からの選手流出(2025/11/05)
「イチロー君、大リーグは甘くないぞ」の声にも動じず、殿堂入りの快挙!元同僚デレク・ジーターも称賛したイチローの「あの」姿勢とは?
米野球殿堂はシアトル・マリナーズなどで活躍したイチロー選手の殿堂入りを1月21日(現地時間)、発表した。米野球殿堂入りはアジア人としては初であり、同日、マリナーズはイチローの背番号51を永久欠番とすると発表した。
3000本安打を達成し、262安打というメジャーリーグシーズン最多安打記録を保持するなど、文句のつけようのない記録を達成しての殿堂入りであった。ただ、イチローがメジャーリーグで活躍し、米国で受け入れられるかについては、当初は多くの人々が疑問視していた。
イチローがメジャーリーグに移籍した2001年当時、日本人メジャーリーガーはまだ数少なく、その中心は、野茂英雄をはじめとして投手であった。なぜ日本人メジャーリーガーは投手ばかりなのか、と問う中学生の質問に対して当時の新聞は、メジャーリーグの選手は投手も野手もでかいが、日本のプロ野球では投手はたいてい大柄だが、野手は「俊足好打」が多いとして、パワー重視の大リーグと、守り重視の日本野球というようにベースボールと野球の性格の違いから説明している……
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選手もビジネスもメジャーに「浸食」される日本野球、MLB東京シリーズの盛況が見せるもう一つの側面、格差拡大への打開策は見当たらず
メジャーリーグ(MLB)へ日本のトップ選手の移籍が後を絶たず、日本球界の「空洞化」を懸念する声がグランドレベルでは強まる一方、ビジネス市場においては今後、メジャーによる日本国内への「侵食」が加速しそうだ。ドジャースとカブスによる今季開幕戦となった「MLB Tokyo Series presented by Guggenheim(以下、東京シリーズ)」が18、19日、東京ドームで行われ、ドジャースの大谷翔平選手が第2戦で今季1号を放ち、第1戦ではチームメイトの山本由伸投手とカブス・今永昇太投手が史上初となる日本選手同士の開幕投手対決を演じた。
今季からドジャースへ移籍した佐々木朗希投手は第2戦で早くも“凱旋登板”が実現した。このシリーズのチケットは瞬く間に完売し、開幕前からグッズショップに長蛇の列ができるなど大きな話題を集め、テレビ中継も高視聴率をマーク。大盛況の裏で、メジャーは日本でのビジネス機会の拡大を目論む。
「私たちは何度もここに戻ってくることになるだろう」
読売新聞の記事によれば、MLBの国際戦略担当者は、日本の野球熱の高さを踏まえ、今後も日本での試合開催を継続していく意向を示した……
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【追悼・長嶋茂雄さん】生粋のドラゴンズファンから見たとんでもない「残酷」な魅力とは?
巨星、逝く。
長嶋茂雄のことだ。
やっぱり大スターだった。そう認めざるを得ない。たとえ量子のレベルから生粋のドラゴンズファンかつアンチ・ジャイアンツの筆者であっても、そこは肯じるしかない。
なぜか。まず、スター性だ。
華があった。成績より「華」だ。まるでAO入試のようだが、案外、人ってこっちの方が好きだ。
長嶋のプレーを現在進行形で見た野球少年たちにとっての最高のポジションといえば「3番サード」だった。
当時、最強の打者は「4番を打つ」と相場は決まっていても、長嶋が3番なら、それが最高の打順としてまかり通ってしまう。そんな力があった……
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阪神「史上最速」優勝にクライマックスシリーズは必要なのか?またもメジャーに客が奪われる!魅力的な日本シリーズへ不可欠なルール変更
プロ野球のセ・リーグは、阪神タイガースが2年ぶりにペナントレースを制した。
優勝を決めた9月7日時点で、78勝45敗3分けと圧倒的な強さを見せつけ、2位巨人とは17ゲーム差。2リーグに分立した1950年以降、これまでのリーグ優勝の最速は90年の巨人の9月8日だったので、これを更新する史上最速でのリーグ優勝だった。
圧倒的な強さによって議論が再燃しそうなのが、プレーオフのクライマックスシリーズ(CS)開催の是非だ。リーグ優勝とは分けて、日本シリーズ進出チームを決めるCSは、昨季のDeNAベイスターズが3位からの“下剋上”で日本一を勝ち取ったことも記憶に新しい。
しかし、2位以下が勝率5割を切っている今季のセ・リーグでも、野球ファンはCSを望むのか。阪神の優勝は、レギュラーシーズンで大差が付いた場合のCSの在り方に一石を投じることになるだろう。(※数字や順位はいずれも、阪神の優勝決定時)
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もはやメジャーによる日本搾取は止められない?ドジャース2連覇の裏で進む日本球界からの選手流出
米大リーグ(MLB)は、大谷翔平選手らを要するドジャースがワールドシリーズ(WS)で2連覇を飾った。2勝3敗から敵地で劇的な2連勝を飾り、3勝をマークした山本由伸投手がシリーズMVPを獲得した。
メジャーリーグ機構(MLB)が発表した第1戦の日本からの視聴者は午前の時間帯にかかわらず、1000万人を超えた。新聞の号外も飛び交った。
これに対し、日程が重なったナイター実施の阪神とソフトバンクによる日本シリーズは地元の“局地戦”で注目を集めたものの、「全国区」でみると注目度の差は鮮明だった。今後も日本からメジャーへ移籍するトップ選手は相次ぐとみられ、日本球界の空洞化に伴う盛り上がりの“地盤沈下”はさらに深刻の一途をたどりそうだ。
歓喜のシャンパン・ファイトに大谷、山本、今季から新加入した佐々木朗希の3選手も笑顔が弾けた……
