2022年8月10日(水)

赤坂英一の野球丸

2018年8月15日

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 前年2016年秋のドラフトでは、スポーツ紙が〝高校ビッグ3〟と名付けた寺島成輝(履正社→ヤクルト)、藤平尚真(横浜→楽天)が1位指名、高橋昂也(花咲徳栄→広島)が2位指名でプロ入りするも、こちらも一軍に定着するまでには至っていない。同年夏の第98回大会で優勝投手となった今井達也(作新学院→西武)も、6月にプロ初登板初先発で初勝利を挙げ、先発ローテーションの一角を担いながら、プロの壁にぶち当たってもがいている。

 さらに15年秋のドラフトに遡ると、この年はオコエ瑠偉(関東第一→楽天)、平沢大河(仙台育英→ロッテ)、高橋純平(県岐阜商→ソフトバンク)らが1位指名を受けながら、3年目の今年まで伸び悩んだままだ。ほんの一握りしか成功できない世界とはいえ、このようにプロ入り後の成績を見ていると、最近の甲子園のスターはレベルが下がっているのかと勘繰りたくもなる。

野球人口の減少

 そうした現象の背景には、最近の野球人口の減少が影響しているようだ。日本高野連が6月に発表した全国の野球部員数を見ると、硬式の部員数は昨年17年より8389人少ない15万3184人で、4年連続の減少となった。しかも、調査を開始した1982年以降、最大の減少数である。16万人台を割ったのは03年以来15年ぶりで、1年生部員に至っては平成年間に入って最も少ない5万413人だった。

 この現象には、全国で多くの野球部指導者たちが危機感を募らせている。朝日新聞6月29日付の記事によれば、岩手県内では今年の秋に3年生が引退すると、部員数が9人未満になる学校が3分の1近くを占める見込みだという。第100回大会の裏側で進むそうした深刻な事態を踏まえて、あるセ・リーグ球団のスカウトはこう指摘する。

 「高校野球の選手層が薄くなれば、当然競技としての野球のレベルも下がる。そんな低いレベルで打った、抑えたと言っても、プロのレベルとは最初から大きな開きがあるわけだ。確かに、最近の球児は昔より体格がよくなったし、パワーもついた。投手なら150㎞投げられるとか、打者なら本塁打を何十本も打つとか、そういう子も毎年出てくる。でも、プロで勝負できる本当の力を持っているかとなると、そうは言えない。それが野球というスポーツの難しさでもあります」
 第100回大会の盛り上がりが、野球人口の増加につながればいいのだが。

  
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