2024年11月22日(金)

WEDGE REPORT

2018年8月17日

安倍首相はトランプの〝変心〟防げ

 6・12は劇的な新薬ではなかった。効いたように見えて、実際は北朝鮮の核開発という〝病勢〟の回復への好ましい影響はほとんどなかった。

 状況が6・12以前にもどっただけの今、どうすべきか。米国は従来の圧力路線を継続して先方を追い詰め、対話を維持するなら適度な〝鼻薬〟をかがせ、硬軟両様で臨む途をとると予想される。それしか有効な手段がないというのも苦しいが、日本もそれに全面協力していくべきだろう。日本政府は、「拉致、ミサイル、核開発を包括的に解決して国交正常化を目指す」と繰り返しているが、日本に北朝鮮の核問題を解決しようとする政治力があるとは思えない。やはり米国の協力は不可欠だ。

 気になるのは、米国内で北朝鮮の核開発放棄が進展をみないため、トランプ大統領自身がこの問題に対する関心を失い、イランの核問題などに目移りしているなど伝えられることだ。事実とすれば、北朝鮮の核問題の解決は再び遠のく。

 安倍首相は9月、国連総会出席の機会にトランプ大統領と会談するとみられるが、その場で、大統領にくぎを刺さなければならない。トランプ氏が「シンゾウの言うことに従う」(西村康稔官房副長官、8月11日付産経新聞)というほどの関係ならば、安倍首相にとっては難しい仕事ではない。

  
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