2024年4月24日(水)

片倉佳史&真理の「もっと!台湾探見」

2018年9月7日

青果市場とマンゴーかき氷 

 玉井を訪れたら、ぜひ足を運びたいのが町の中心部にある青果市場です。体育館のような広大なスペースに、色とりどりのマンゴーが山積みになっています。赤やピンク、黄色や緑、オレンジ色など、その彩りは見る者を圧倒します。ここでは大きな籠に入って売られており、壮観な光景です。まさに、これを眺めるだけでも訪れる価値があります。

玉井のマンゴー市場

 青果市場の周辺にはマンゴーかき氷の店がいくつもあります。ぜひ、本場のマンゴーがどっさりとのったかき氷を味わってみてください。台北よりも格段、値段が安く、ボリュームもたっぷり。そして何より、もぎたて、切りたての絶品マンゴーが忘れられない美味しさを演出しています。

味わってみたい台湾マンゴー10選

 以下、台湾で味わえるマンゴーを紹介してみましょう。流通量が多いのはアップルマンゴーや台湾土着種の「土芒果」、そして、「金煌芒果」の三種。中には玉井などの産地限定の品種もあります。日本人旅行者の評判を聞いていると、アップルマンゴーの人気は不動と言えそうですが、ぜひあれこれ試してみたいものです。

愛文芒果(アップルマンゴー) 
老若男女に愛されるマンゴー界の王様
愛文芒果(アップルマンゴー)

通称アップルマンゴー。数ある台湾マンゴーの中でも一番人気。甘さと香りが濃厚、かつ滑らかな食感が特色です。1954年にアメリカのフロリダから持ち込まれたものを台南・玉井の故鄭罕池氏が開発。台南では6月~9月頃、屏東では4月頃~7月頃に収穫されます。

土芒果(土檨仔) 
台湾の中高年世代に人気のマンゴー
土芒果(土様仔)

小ぶりのマンゴーで果皮は黄色がかった緑色。17世紀にオランダ人によって持ち込まれた品種が土着化したものとされます。繊維質が多く、種も大きいため、やや食べにくいのが難点。ただし、台湾の中高年世代や、戦前に台湾に暮らしていた日本人には、根強い人気を誇っています。

金煌芒果 
見た目はパパイヤ?!爽やかな甘さがウリ

高雄市六亀区の故黄金煌氏が開発した品種。「凱特」と呼ばれる品種と後述する「懐特」の2種を交配させてできたもの。果皮は薄い黄色をしており、大きさはアップルマンゴーの1.5倍もあります。飽きのこないさっぱりとした甘さと酸味が特色。生産量が多く、アップルマンゴーに準じる地位を誇ります。マンゴーかき氷に使用されることも多くなっています。

玉文芒果(玉文六號)
ラグビーボール大のビッグマンゴー

玉文芒果(玉文六號)

台南市玉井の郭文忠氏が開発した品種。アップルマンゴーと「金煌」を交配させてできたもの。郭氏は「マンゴー博士」と称せられるほど新種の開発に熱心だった方で、特に玉文六號が高評価を得ています。見た目はアップルマンゴーに似ており、果皮も鮮やかな赤で、オレンジ色の果肉が特色。重量は愛文の2倍近くもあります。

黒香芒果
独特な香りがする不思議なマンゴー

日本統治時代に持ち込まれた品種。リュウガン(龍眼)に似た独特な香りがします。別名「龍眼芒果」。熟しても果皮は緑色のままなので、触ってみて熟し具合を判断します。果肉は黄色で、アップルマンゴーほどの甘さはなく、やや酸味が感じられます。収穫の多い時には台北などでも出回ります。


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