世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月6日

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 こうした、今回の蔡総統による米国の連邦レベル、州レベルの要人との会談、米政府機関の訪問は、まさに画期的であった。米台間の高官の交流を勧奨する「台湾旅行法」(今年3月に発効)の成果が早速表れたものと評価できる。米国の親台湾路線がますます強まりを見せていることを示唆している。NASAの施設訪問は、直接的な政治的意味合いはないが、米台間で航空宇宙技術を含む安全保障関連の先端技術に関する協力が進展するのではないかとの印象を与える効果はあるかもしれない

 一方、蔡総統のレーガン大統領図書館での演説は、6月のAFPとのインタビュー(7月30日付け本欄『台湾・蔡総統、「現状維持」から「独立」へ?』において強調していた、自由と民主主義の価値の擁護を改めて前面に打ち出し、価値を同じくする国同士の連携を呼びかける内容であった。台湾の今後の外交政策のバックボーンが明確になってきたと言えよう。

 上記の状況を総合すると、中台関係、台湾をめぐる米中関係は、いずれも緊張が高まる方向に向かっていると判断する他ない。

  
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