太陽光発電に有利な九州で発生した出力制御
事業用太陽光発電設備を設置する時に重要な点はなんだろうか。一つは、日照時間だが、もう一つ重要な点は設置するための土地の価格だ。さらに、冬季降雪が少ないことも重要だろう。今年2月降雪により東京電力管内の太陽光発電量が減少し、東電が他電力からの融通を受け乗り切ったこともあった。これらの点を考慮し多くの事業用発電設備が設置されたのが、九州だった。
都道府県別の太陽光発電設備量を基に人口千人当たりの事業用設備導入量を計算すると、図‐1の通り上位10位に九州の4県が入る。結果、人口と電力需要量では全国の約10%を占める九州が事業用太陽光発電設備量では全国の20%を占めることになった。冷暖房需要も産業用需要も大きく伸びない春秋の晴天の土日には、電力需要量を再エネの発電量が上回る事態が発生することになった。
10月13日、14日の電力需給予測では供給量が需要量を上回ることが想定されたので需要量の積み上げが行われた。余剰電力で水を池にポンプアップし供給力が落ちた時に利用する揚水発電と大規模蓄電池への電力供給、他地域への送電が行われ、火力発電の出力抑制による供給力の削減も行われた。図‐2がその状況を示している。それでも表‐1の通り供給力が需要量を上回り、出力抑制が必要となった。