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WEDGE REPORT

2018年12月21日

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國分俊史 (こくぶん・としふみ)

多摩大学大学院教授、ルール形成戦略研究所所長

専門は経済安全保障。パシフィックフォーラムシニアフェローを兼任。著書に『世界市場で勝つルールメイキング戦略 技術で勝る日本企業がなぜ負けるのか』(共編著/朝日新聞出版)、『エコノミック・ステイトクラフト 経済安全保障の戦い』(日本経済新聞出版)。

 豪政府が、中国による「能力」と「意図」の発揮を危惧した領域はここにある。中国共産党が背後にいる中国企業がゼロデイ情報を迅速に知らせてくれると信頼することは難しい。米国でも「中国製品」を利用したバックドアの仕込みは防げないのだから調達から排除すべきとなる可能性が高い。

 この点、日本政府と携帯電話大手3社が調達について下した判断は賢明だ。日本企業はまず、国防権限法が与える1年間の猶予期間内に、米政府が指定した中国製品を一切利用しない社内情報システムへの移行を完遂させる必要がある。また、今後は日本企業の製品にインテリジェンス機関が関与する体制を整えていかなければならない。日本の技術を採用することの安全保障を踏まえた安全性を世界に立証していく体制を整えなければならない。

 多くの日本企業は半信半疑だが、米国は安全保障経済政策起点でルールを形成し、コスト増や企業の撤退をも受け入れさせる。社長アジェンダとして政策情報収集から情報システム改革投資予算の期中変更を迅速に行えるかどうかで5G時代の日本企業の成長が決まると認識すべきだ。

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■米中5G戦争「華為排除」で転換迫られる産業界
PART 1  5G幕開けで変わる産業構造 出遅れる日本の通信業界
PART 2  ”実害”なくとも中国企業は排除 背後の共産党を恐れる米豪
PART 3  米国が最先端技術にかける網 日中共同開発は実質的に不可能に
COLUMN  米国の意向が最優先の現実 脱・ファーウェイは外交問題
PART 4  英国の脆弱なインフラと大学 「合法的」に諜報活動を行う中国
PART 5  米中ハイテク戦争の結末は?中国は半導体製造装置がアキレス腱
INTERVIEW 米国が狙う中華5Gの”不拡散” 「宣戦布告」になすすべのない中国

  
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◆Wedge2019年1月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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