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Wedge REPORT

2018年12月31日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

日本市場での存在感が薄くなる日産 

 日産は徐々に日本市場において存在感をなくしていった。今売れている車は、軽自動車を除けば、ガソリンで発電機を回し電池に充電して走るノートとセレナだ。GM、あるいはBMWの電気自動車が充電が切れた際に利用しているシステムだが、電池に電気を使い充電せず、発電機で充電する方式は電気自動車本来の目的、温暖化対策、二酸化炭素削減を考えると、平均的な内燃機関車よりは効率が良いのだろうが、電気自動車との比較ではガソリンの消費削減量は少なく、温暖化対策への貢献度は低くなる。また燃料費も高くなる。充電設備が十分に普及していない環境で電気自動車を利用するための方式だろうが、技術の日産とは呼べない技術のように思う。

 日本市場でシェアを落とし、生産台数も減少しているため、従業員数は連結でも単独ベースでも減少を続けている。加えて、正規従業員を臨時雇用に切り替えている。単独ベースの雇用者数推移は図‐2の通りだ。

 日本の販売台数減少に加え、途上国を中心とした需要増を満たすため世界各地に生産を移転したことにより日本からの輸出数量も伸びず、図-3の通り日本の生産台数は大きく減少した。

 企業にとり、収益を上げることが重要なのは言うまでもないが、企業の社会的な責任の一つには地域社会、雇用の維持もある。収益向上を目指し、サプライヤーを切り、雇用を削減する中で、企業の競争優位を支える支援企業、下請け企業を失えば、やがて企業の先行きは不透明になってくる。

  
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