中東を読み解く

2019年1月7日

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腐敗し切ったフーシ

 サウジやUAEはこうした傭兵軍団に加え、イエメンの部族指導者に資金援助し、米国製の武器を供与、フーシと戦わせている。この指導者は南西部タイズを拠点とするアブ・アッバス。配下には3000人の戦闘員がいる。だが、アッバスは米国がすでにテロリストとして制裁対象に指定した人物だ。

 アッバスは過激派の思想には賛同しないとしながらも、国際テロ組織アルカイダや過激派組織「イスラム国」(IS)と連携していたことを認めており、米国がテロ指定したのは当然の措置だ。これは「フーシと戦うのであれば、過激派と手を組んでいようが関係ない」というサウジ側のなりふり構わぬ姿勢を象徴するものだろう。

 だが、フーシの実態もまた、腐敗にまみれたものだ。最近のワシントン・ポストはこれまで伝えられなかったフーシの実像を明らかにしているが、フーシは反対派を片っ端から拘束しては拷問するなどの弾圧を加える一方、幹部がサヌアの豪華な邸宅に暮らし、高級車のポルシェなどを乗り回す贅沢ぶりだ。人々が飢餓にあえぎ、公務員にさえ給料も支払われていないのとは対照的な生活だ。

 フーシはホテルや病院などにもスパイ網を敷き、ささいな理由で反対派を拘束、ムチ打ちや体に電流を流したり、また手足を縛り付けてローストチキンのように火あぶりにする拷問を加えたりしている。拘束者に対し、トイレも1日1回程度しか行かせなかったり、蛇を独房に投げ入れたり、また家族も殺すと脅したりするのは日常茶飯事だという。

 フーシのモハメド・アリ最高革命委員会議長はこうした批判に対して、調査するとしているものの、国連や人道支援機関の監視を強化し、自由な活動を制限するなどその独裁ぶりが改善される見通しは皆無だ。

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