チリのサンチャゴに移り住んだオタクのシステムエンジニア
ホセ・マルティーネス(30代後半)とは5年前にカラカスでのオタクのイベントで知り合った。数カ月前にサンチャゴに移民したが、生活には満足しているという。
「仕事は簡単に見つかったし、給与も悪くない。食事も4ドルか5ドルで安い。ベネズエラ人もたくさんいるから、ベネズエラ食に不自由はしない。困ることはないよ。貯金をしてカラカスに残っている家族に仕送りをして、日本に行くお金を溜めるよ」
「トランプの演説は見た?」
「ニュースで見たけど、ベネズエラにかかわることは、本当だし、見て見ぬふりをするのではなくて国際社会はできることをやってもらいたい。トランプについてはいいところと悪いところがある」
「ベネズエラには戻る?」
「政権が変わってもベネズエラ経済がすぐに好転するとは思えない。この政権で悪の道に染まった人間も多いし、人が変わらなければ、国は良くならない。でも、行き来するのはずっと自由になるだろうけど。今は、お金を溜めて日本に行くのが夢だよ。漢字もほら、雑誌、新聞、学生、先生、会社員、椅子とか覚えた」
ベネズエラにも日本ファンはたくさんいる。
日本は明確にグアイド支持をもう一度打ち出すべきである
危惧していたとおり、援助物資はチャべス派の治安部隊に阻止され、あるいは焼かれ、国内にはなかなか入らない。また国境では数人がベネズラの治安部隊、いやむしろ民兵組織のコレクティーボに殺され、何百人と負傷した模様である。
軍や政府は腐敗しているがゆえに逆に強い。誰も国家反逆罪で刑務所送りになったり、国民のリンチにあって殺害されたりしたくないのだ。
そんな中、日本にいるベネズエラのイシカワ大使は、日本がグアイド氏を支持したことを非難し、「日本政府はグアイド氏を法的に承認するわけではなく、マドゥロ政権とは引き続き協働するとの説明を受けた」と語っている(2月21日 日経新聞)。
これではまどろっこしい。
どのみち日本政府がマドゥロの政府と話し合いを持つようなことはありえないのだから、日本政府は、グアイド暫定大統領を法的にも承認するともう一度明言したほうがいいだろう。
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