2024年11月22日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年4月3日

 3番目に会場に現れたのは、ニューヨークからオルーク候補の集会に駆けつけたザックさん(33)でした。時刻は午前6時ごろでした。

 「バー司法長官が議会に提出した(モラー報告書の)概要の結論に失望しました。私はトランプ陣営とロシア政府との間に陰謀があったと信じています。NBCニュースとのインタビューでトランプはコミー元FBI長官を解任するとき、ロシアのことを考えていたと答えています」

 続けて、ザックさんは次のように本音を漏らしました。

 「トランプを倒すのは大変です。次の選挙も彼が勝つような気がします」

 バー司法長官のモラー報告書の概要で、「共謀と司法妨害が認定されなかったので、次の大統領選挙はトランプに有利な展開になるでしょう」と、ザックさんは悲観的な表情を浮かべながら述べました。彼とリチャードさんは、この点において見解が一致していました。

熱狂的なミレニアム世代

 4番目に会場に到着したのは、地元のカレッジに通うニックさん(23)とフランシスさん(27)でした。日の出時刻の6時57分になる少し前に会場に現れた2人は、即座に地べたに座って、スマートフォーンをいじっていました。リチャードさんと同様、彼らもミレニアム世代です。

 ニックさんはトランプ大統領に批判的でした。

 「トランプの行動は子供のようです。私は国境の壁建設に反対です。麻薬は国境からではなく、空港や港から入ってきます」

 フランシスさんもトランプ大統領の「国境の壁」建設に強く反対の立場をとっていました。

 「トランプは人々に恐怖心を与えています。国境の壁建設費は税金の無駄使いです」

 一方オルーク候補については、フランシスさんは「彼の性格に惹かれる」と述べていました。

 米中西部カンザス州トピカから車で15時間かけてオルーク候補の集会に参加した政治学専攻の3人の女子学生も、「オルークは若者を活気づけてくれる」と語り、同候補の性格を支持理由に挙げました。

 オルーク候補はかなり若者の心をつかんでいます。彼らは同候補のエネルギーに溢れたスタイルに惹かれていることは確かです。ワイシャツの袖をめくり、演台のうえを動き回りながら、特徴のある大きな身振り手振りで熱く語る彼のスタイルが、若者に受け入れられているといってよいでしょう。以前述べましたが、彼の「カジュアル」なスタイルに若者は好感を抱いています。

 そこで、オルーク候補は主として若者とヒスパニック系の有権者に焦点を当てて選挙活動を展開しています。オルーク陣営の選挙戦略は、彼らを投票所に動員することです。


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