2024年4月26日(金)

Wedge REPORT

2019年4月22日

CS進出くらいがちょうどいい?

 球団OBたちの話に耳を傾けてみると、これらはあながち的外れでもないような気がしてくる。しかし、そう邪推されても仕方がないだろう。その1人が、次のように本音を吐露した。

 「タイガースは関西の人気球団。基本的に弱くてもお客さんが集まるし、グッズだって黙っていても売れる。特に近年、大きなウェイトを占める放映権料に関して球団側はかなり強気でいわば〝売り手市場〟だ。

 同じセ・リーグの中ならば資金力は巨人とそれほどそん色ない。本来ならば金満球団のはずだ。にもかかわらず球団側や電鉄本社幹部は最下位に沈んだ昨季のようにあまりに弱過ぎるのは確かに問題だが、Aクラス入りでCS(クライマックスシリーズ)に出られるぐらいならばちょうどいいと思っているフシが感じられる。

 リーグ優勝すれば選手の年俸を上げなければいけない。だから優勝争いして最後に負ける流れこそが、ビジネスとしては儲かると踏んでいるのではないか。それが証拠に球団や電鉄本社のトップからは『何が何でも優勝しろ』というようなV厳命の類のどぎつい言葉が毎年、ほとんど聞こえてこない。それから補足するとメディアに対しても球団側は過剰な情報統制を敷き過ぎ。自分たちに都合の悪い記事を書くと、すぐに出入り禁止にするからね。だから甘やかされてしまうんだよ」 

 阪神は2005年以来、リーグ優勝から遠ざかっている。だからこそ14年ぶりのVは今季の至上命題のはずだが、そのキーパーソンである新外国人選手2人もことごとく「インケツ」の香りを漂わせている。

 長打がストロングポイントのジェフリー・マルテ内野手は右ふくらはぎの張りで別メニュー調整中。ようやく実戦復帰が可能なまでに回復したとはいえ、一軍レベルでは未知数だ。中日ドラゴンズで昨季13勝したオネルキ・ガルシア投手も開幕から3戦連続7失点で二軍降格。

 「実を言えばガルシアはコンディションに問題を抱えていて、阪神が事前にチェックできていなかったようだ」との情報も飛び交っており、これが事実ならば球団側はとんだババを引かされたということになる。外国人補強のミスについても球団フロントの責任は軽くない。

 球団側が近々にも矢野監督を呼び出し、チーム低迷の事情聴取を行うとのウワサも飛び交っている。しかしながら、そんなことをやっている場合ではないだろう。球団、そして親会社のトップたちはタイガース再建のため自分たちの足元を見つめ直すべきである。

  
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