2024年11月23日(土)

田部康喜のTV読本

2019年4月24日

「死んで花実が咲くものか」

 ドラマは多彩な登場人物によって、働き方改革にさまざまな視点から光を当てているようにみえる。結衣(吉高)が終業時刻もそこそこに、ビールが半額になる「ハッピーアワー」目当てにかけつける、上海飯店の面々もそうである。店主の王丹(江口のりこ)と常連客で文具メーカーの窓際社員・戸塚学(梶原善)、不動産屋で息子に経営を譲って引退状態の篠原友之(酒井敏也)である。

 店の常連だった、会社員が好物の回鍋肉を食べたあと、いつものように会社に戻って亡くなった話となる。

 篠原 「あの日も会社に帰ったんだよな。前から胸が苦しくなることがあるというので、病院に行くようにいったんだが」

 戸塚 「死んで花実が咲くものか。労災が出ればいいんだがなぁ。サラリーマンは替わりはいくらでもいるからな」

 王  「替わりはいないよ。みんなうちの大事なお客さんだよ」

 脇役としていまや、ドラマに欠くことができない三人の俳優の掛け合いシーンも、ドラマの魅力である。

吉高、向井、中丸がからむ恋模様の行方も

 プロジェクトを抱えていた三谷は、追い詰められて無断欠勤する。自宅を見舞った結衣は、三谷にこういう。

 「休んでも自分の居所はなくなりませんよ。死んで花実が咲くものか、ですよ」

 結衣の職場に副部長として、「元カレ」の種田晃太郎(向井理)が異動してくる。現在のパートナーである、諏訪巧(中丸雄一)と三人がからむ恋模様の行方も、ドラマを進めていく大きな要素だろう。

 結衣は悪夢にうなされながら、倒れ込んだ種田を抱えて「晃太郎、きょうはなんの日か覚えている?」と叫ぶのだった。


  
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