Washington Files

2019年6月3日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

ニューヨーク・タイムズ

 「トランプ大統領は外国のリーダーとして最初に新天皇に会うために7000マイルを旅して日本にやってきた。世界舞台で最も近い関係にある安倍首相は、『揺るぎなききずなを強固なものとするため』ゴルフに相撲観戦、チーズバーガー・ランチそして炉端焼きディナーで精いっぱいもてなした。だが、大統領にとっては、公式行事から解放され一人になるたびにツイッターでつぶやき続けたことに示されるように、東京滞在は初めから終わりまで、国外での外交より国内政治にフォーカスしたものだった」

 「とくにバイデン氏から野党民主党政治家まで含めて気になる人物を批判し続けたが、大統領にとっての“揺るぎなききずな”とはツイッター・メガホンとの関係を意味していた。というのは、ホスト国側がアジアの安全保障と貿易問題に協議の焦点を振り向けようとしたにもかかわらず、本人はワシントンの政敵たちと戦い続けたからだ。『大統領たるものは外国に出た時は自分の支持者たちだけでなく全国民を代表して発言するものだ』と論客のウィリアム・クリストル氏も語ったが、彼だけはそうではなかった」

 「大統領が外遊してホスト国のリーダーを困惑させたのは、今回が初めてではない。昨年訪英の際も、新聞インタビューで、メイ首相のEU離脱問題処理を『英国の有権者を裏切るやり方だ』と批判する一方、メイ首相の政敵であるボリス・ジョンソンのことを『偉大な首相になれる人物』と持ち上げた。後で『あれはフェイクニュースだ』と自分の発言を撤回しようとしたが、この間、メイ首相は意に介せず堂々たる振る舞いだった」

 「今回、ホスト役だった安倍首相に対する最悪の侮辱は、ツイートによるものだった。トランプ氏は、北朝鮮が先に行った短距離ミサイル発射実験について、首相そして大統領の安全保障担当補佐官までが国連決議違反だと主張、懸念を表明したにもかかわらず、実験の重大性を軽視した」(5月28日、アニー・カーニ記者) 

  
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