2024年6月18日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年6月4日

バイデン支持者の声

 中西部ウィスコンシン州シボイガンから車で13時間かけてバイデン前副大統領の集会に参加した白人男性カイル・ウェルトンさん(26)は、筆者よりも先に集会場に到着した4人のうちの1人でした。彼はウィスコンシン州の上院選に出馬しましたが落選し、再度出馬の機会を窺っています。

カイル・ウェルトンさん(左)@ペンシルべニア州フィラデルフィア

 筆者が日本からバイデン氏の集会に参加するために、フィラデルフィアを訪問したと伝えると、彼は「都市の名前は思い出せませんが、シボイガンは日本と姉妹都市の関係を結んでいます」と語り、スマートフォンをポケットから取り出してリサーチを始めました。

 「新潟県燕市です」

 カイルさんはこう言ってスマートフォンの画面を見せてくれました。筆者が燕市は金属産業で有名だと告げると、彼はシボイガンではフランパンやヤカンを造っていると教えてくれました。すっかり意気投合すると、彼はバイデン支持の理由、トランプ大統領の移民政策及び米中貿易戦争について率直に意見を述べてくれました。

 「ジョーは労働者の見方です。トランプが中国からのアルミニウムと鉄鋼に追加関税をかけたので、シボイガンにある工場はコストが上がって大変です。貿易戦争には勝者がいません。ジョーは中国は米国の競争者ではないと語りました。私はこの発言に賛成です。米国は中国と協力するべきです」

 カイルさんは米中による関税のかけ合いにより、地元の製造業にコスト面で負担が増しており、貿易戦争がマイナス要因になっているという見解を示しました。

 彼はトランプ大統領の移民政策についても批判的なコメントをしました。同大統領は移民希望者の能力及びスキルをポイント化して彼らを受け入れるか否かを決める、いわゆるメリットに基づいた移民政策を強く主張しています。それに関してカイルさんは、次のように指摘しました。

 「メキシコからの移民にはメリットがないかもしれません。トランプはヨーロッパからの白人の移民を考えています」

 カイルさんはトランプ大統領の「メリット」という言葉の背景に差別意識があると認識していました。

 「要するに、英語を話せるなどのメリットがある白人のヨーロッパ系移民は受け入れるが、メリットのないメキシコからの非白人は許可しないと議論しているのと同じです」

 カイルさんはこう分析していました。

 議会民主党もトランプ大統領が提案するメリットに基づいた移民政策を批判しています。ナンシー・ペロシ下院議長は、「移民にはメリットがなくても、彼らは自由を求めて米国に来ました」と述べて、「移民の国」米国の建国の精神に訴えています。


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