死ぬんじゃないかと思う苦しみ
3年前のある日、死ぬんじゃないかと思う苦しみになりました。精神的に、肉体的に疲れてしまい、胆のうの症状が悪化し、寝床から起き上がれない。全身が動かない。手術した後、しばらく通院し、最近になり、体調がようやくよくなってきたのです。
彼女の対応だけでなく、長年のストレスの積み重ねなのだと思います。可能な限り、あらゆる人を受け入れて対処してきたのですが、このままでは自分がもたないと13年目でようやく気がついたのです。
うちに来る出所者のほとんどの人が、所持金がありません。当面の生活費がないから、こちらで工面する。借金をしている人も多数いますから、私が返済をしました。罰金もあったから、こちらで返します。「お金を貸してほしい」と頼んでくる人も多かった。貸したのですが、返ってこない。そのまま辞めました。その後、電話も手紙もない。全員にとび職の工具や作業服を支給する。寮だけでなく、マンションの部屋も借りる。全部合わせると、相当な出費になる。だけど、みんなが戦力になるわけじゃない。多くは、数日から1∼2年以内に辞めていく。
最近、考え方を変えました。“来る者、拒まず”でなく、採用の際は、もっと慎重に判断するようにしたのです。寮や食事は従来どおりですが、お金を貸すことはしません。ただし、私には責任がある。彼らを「とび職の仕事、食事付きの住まい、親代わり」の3点セットで雇い入れたわけだから…。無責任な形で放り出すことはできない。「割に合う、合わない」なんて、この場合、私の頭にないから。自分が発した言葉には、絶対、責任を負わなきゃいけないと思っているんですよ。
今年で14年目ですが、あらゆることを自分の頭で考えて、その都度、判断し、決めてきました。結果も含め、すべてが自分の責任ですから…。私のような創業経営者は、こういうもんだと思います。