古今東西、女性美をテーマにした絵画は数多い。日本でも浮世絵に描かれた美人画をはじめ、女性の美しさを強調した絵画が、さまざまな手法によって描かれてきた。その中でも日本の伝統的な装いである和服の女性に注目したのが、山種美術館の展覧会「和のよそおい」だ。
伊東深水《春》 昭和27(1952)年 絹本・彩色
山種美術館所蔵
山種美術館所蔵
日本画における美人画の巨匠、上村松園(うえむらしょうえん)、鏑木清方(かぶらききよかた)、伊東深水(しんすい)を中心に、約60点の作品の中に描かれた和装美人が一堂に会するさまは、まさに百花繚乱の華やかさといえよう。
江戸中期の浮世絵師、鈴木春信が描く「柿の実とり」をはじめ、上村松園の「春のよそをひ」、伊東深水の「雪中美人」、池田輝方(てるかた)の「夕立」など、展示作品の中には日本の四季を表現した作品も多く、季節感を採り入れた和服が織りなす美しい情景に触れられる。
今では街でその姿を見かける機会も減り、特別な席での服装となった感がある和の装い。展示作品を通して、和服が日常着だったころの装いの美学について思いを巡らせてみるのも楽しい。
和のよそおい ─松園・清方・深水─
<開催日>2012年2月11日~3月25日
<会場>東京都渋谷区・山種美術館(山手線恵比須駅下車)
<問>03(5777)8600
http://www.yamatane-museum.jp/
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