お金をどのように使い、どう生きるのか、何を残していくのか
発注側は心底、求めている人材にはそれなりの賃金を支払っているはずです。今は、特にその意味で2極化しています。自営業をするならば、「かえのきかない人」になることですが、なかなか難しいでしょうね。
「かえのきかない人」になるためには、自分にしかできないことをして、それで認められないといけない。その他、大勢の人と同じことをしているようでは、ムリでしょうね。そのためには、ふだんから「何をするとビジネスとして成功し、その報酬としてお金を得るのか」と考えるべきです。それを続ける人が、最終的には勝ちますよ。私も、そうありたいと思っています。
老後の2000万円? 稼ぐ力さえあれば、深刻に受け止める必要はないのではないでしょうか。たくさんのお金を持っていても、幸福とは言えないケースもあります。私の父は、10年ほど前に病気で他界しました。葬式の時に「この人は幸せだったのかな」とふっと思いました。幸福か否かは本人にしかわからないことなのでしょうが、少なくとも、父のような生き方はしたくないと感じました。ある程度の資産を家族の私たちが知らないところで作っていたようでした。
そんな経験もありますから、私は3人の子どもに教育熱心でした。ずいぶんとお金を使いました。資産はひとり占めするものでない、と思うのです。お金は効果的に使えば、こちらに戻ってくる。その意味では、使わないと入ってこないのでしょうね。老後に2000万円が必要であるか否かを議論するのも結構ですが、お金をどのように使い、どう生きるのか、何を残していくのか、残された者にどう生きていってほしいのか…。こういうことを考えるのも大切なのではないでしょうか。死ぬときは、あの世に何ももっていけない。死んだら、終わり。自分が生きているうちに、家族には資産以上のものを残していきたいと思っています。
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