2022年8月11日(木)

Wedge REPORT

2019年10月3日

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3年後には意識を持ったAIが完成!

Q Daisyの完成はいつ頃になりそうですか?

大澤 Daisyの研究は80%ぐらいの完成度で、私の見立てでは3年後には完成すると思います。心があるかどうかは、言葉を理解できるかどうかで決まります。例えばネコにも心があるかもしれませんが、それを言葉で伝えることが出来ません。言葉と心には密接な関係があります。我々は言葉をしゃべっています。頭の中でも考えを言葉にしています。言葉があることで心があることを認識できたとも言えます。

 では、言葉とは何でしょう。誰に話しても同じ意味を持つこと。そして単語や記号で構成された伝達手段です。これを使うには社会が必要になります。AIも社会を作っていくことが重要になります。もし、世界に人間が1人しかいない場合、言葉を使う必要がないので、その人には心がありません。物心が付くという表現がありますが、これは子供が初めて言葉をしゃべった状態を指し示します。自分の存在を意識して、周りの人々を意識した瞬間に自我、すなわち心が生まれます。それを果たすのが社会です。

 現在のAIは実験室の中に人が1人いる状態と変わりません。このままでは心は生まれません。最低でも2つの知能体が存在しなければなりません。この2つをコミュニケートさせることで心が生まれます。この方法がまだ確立されていません。生きるための本能と理性を分けているのが言葉なんです。理性は社会性と同義語になります。その言葉を使うことで社会と合意することを意味します。ミカンを指さして、これはリンゴです、と言ってもいいのですが、人間はそんなことはしません。本能的に社会性が備わっていて、社会性によって言葉と合意して、理性に統率されているからです。言葉は社会に規制され、社会に不都合な行動をさせないようになっています。

会話するAIはプログラミング不要

Q 言葉を理解できるAIにプログラミングは不要ですか?

大澤 言葉が話せるAIは学習ができるのでプログラミングもほぼ不要になります。囲碁に使われているAIも、AI同士で対戦させることによって強くさせています。もし言葉が話せるAIが出来れば、プログラミングのコストももっと下がると思います。人間もプログラミング不要で学習しています。しかし、これにはいろいろな議論があり、教育は人間をプログラミングしているのではないか、学校がなければ我々は生産的な活動ができるか、文字を書いたり言葉を覚えたりできるのだろうか。国は教育にかなりのコストをかけています。小学校、中学校、高校とかなりの数があります。

 プログラミングは子育てだと言われていますが、AIは1歳児の脳と同じレベルと言われています。研究者もAIが囲碁を学習する様子をみて、自分が子育てを疑似体験していると感じる人も多いようです。3歳児までいくと人間の動作を見て学ぶ、イミテーションラーニング(模倣学習)ができるようになるでしょう。

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