2024年5月26日(日)

赤坂英一の野球丸

2019年10月20日

中日に入団するよう運命づけられていた石川

 最後に、中日が獲得した石川昂弥は、今年のドラフトで最も運命的なものを感じさせる選手である。中日の地元・愛知県半田市出身で、父・尋貴さん、母・由香子さんも愛知県生まれで東邦の卒業生。尋貴さんは野球部で捕手を務めていた。1989年に選抜の優勝投手となり、のちに中日に入団した山田喜久夫氏の同級生でもある。

 尋貴さんは2001年6月に石川が生まれるとすぐに野球のボールを握らせ、保育園時代から地元の野球教室に通わせた。そのあたりまでは遊びの延長だったが、石川が小学2年になると、東邦の先輩が監督をしている少年野球チーム・ツースリー大府に入団させた。石川はこのころから、休日や祝日は朝から夜まで、練習や試合に明け暮れていたのだ。

 こうしてメキメキと力をつけた石川は、小学6年で中日が主催するドラゴンズジュニアのメンバーに選ばれた。このチームの監督は、中日、広島でしぶとい打撃と好守で鳴らした音重鎮氏である。

 石川が中学に進学し、地元の愛知知多ボーイズのエース兼内野手として活躍するようになると、東邦と中日のOBで少年野球の指導をしていた水谷啓昭氏が石川の才能に注目。「内野手一本でいけば巨人・坂本勇人クラスの選手になれる逸材」と、月刊ドラゴンズの自分の連載コラムで絶賛していた。

 そして、高校は当然のように父・尋貴さんと同じ東邦に進み、ここでもエース兼主砲となって見事に今年の選抜で優勝。ここまでの18年間の人生を辿ってみただけでも、石川は生まれたときから地元の中日に入団するよう運命づけられていたとしか思えない。

 こういう星の下に生まれた選手には、来年の早い段階で、中日の先輩たちとレギュラー争いをさせてほしい。石川と同じショートには2017年の新人王となった京田陽太、サードにはレギュラーの高橋周平がいる。来年2年目の根尾昂も定位置を奪い取るため、強力なライバルとして立ちはだかるだろう。

 中日に選ばれるべくして選ばれた〝運命の子〟石川が、プロの世界でどのような戦いを繰り広げるか。戦力になるか、ならないかという実際的な評価以上に、プロ野球ならではの〝熱いドラマ〟を見せてほしいと思う。

  
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