中東を読み解く

2019年11月18日

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トルコ対UAEの代理戦争

 リビアの内戦は実は外国勢力の代理戦争的な様相もある。ハフタル将軍には、ロシアが支援する前から、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプト、フランスが支援してきた。中央政府にはトルコとカタールが支援、これまでに戦闘員や民間人など何千人も死亡している。

 とりわけUAEとトルコはそれぞれ、ドローンを供与し、国連によると、過去6カ月で双方合わせて900回に及んでドローンを出撃させたという。ドローンは搭載しているミサイルで相手側を攻撃し、これまでに数百人を殺害した。1機のドローンには8発の空対地ミサイルを搭載可能だ。

 このリビアの代理戦争はそのまま中東での対立の構図を反映するものだ。イランと接近したカタールに対し、サウジアラビアやUAEが断交、カタールの経済的な封じ込めを図った。その苦境に手を差し伸べたのがトルコであり、トルコはサウジの反体制ジャーナリスト、カショギ氏殺害事件でサウジとの関係を極度に悪化させた。

 ベイルートの情報筋は「ロシアの半ば公然としたリビアへの軍事介入は内戦の戦況を変える要素になると同時に、代理戦争の構図をも変え、リビアを一段と不安定化させかねない」と指摘している。プーチン氏の中東戦略の動きに注目しなければならない。

  
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