中東を読み解く

2019年11月18日

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“第二のシリア”

 1つはプーチン大統領がシリアの軍事介入の成功で、中東での指導的な地位を固め、その存在感に自信を深めていることがある。「リビアをロシアが意のままに操る“第二のシリア”にしたい」(ベイルート筋)との思惑があると見られている。プーチン氏のこうした影響力拡大を可能にした要因には、トランプ米大統領がシリアからの部隊撤退など中東から米軍を撤収させる動きを加速していることだろう。プーチン氏は米国なき後の「力の空白」を利用しようとしているわけだ。

 プーチン氏は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるトルコにロシア製の防空システム「S400」を売却し、西側とトルコに楔を打ち込んだ。米国の適性国であるイランとのつながりを強め、さらには米国の同盟国であるサウジアラビアなどペルシャ湾岸諸国を相次いで訪問し、ロシア製兵器の売り込みに努めた。

 もう1つはリビアの持つエネルギー資源の魅力だ。リビアは内戦状態の現在でも日量130万バレルの原油を生産している。その埋蔵量は世界10位だ。こうした石油大国を支配下に置きたい、とプーチン氏が考えても不思議はない。しかし、ロシア政府は傭兵派遣について「そうした情報は知らない」と否定している。

 ハフタル将軍はカダフィ政権が崩壊した後、米国に亡命。一時、中央情報局(CIA)のアドバイザーも務め、米国との関係がある。シリアの石油防衛のため、一部部隊を残留させるなど石油資源には強い関心を示すトランプ大統領も将軍と協調したい意向を示唆しているのは注目に値する。

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