Wedge REPORT

2019年12月12日

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経営理念と価値観には、とことん、こだわりたい

 説明会の内容やスケジュールは毎回ほぼ同じで、特に次のものが中心となる。

 「代表(取締役社長)が語る『SAS』(エス・エー・エス)マインド」(35分)
 「先輩社員との座談会」(25分)
 「エントリーシートの記入」(20分)
 「適性検査」(30分)

 『SAS』マインドは経営理念であり、ワーク(仕事)とライフ(生活)の調和を重んじることを特徴とする。社長自らが説明し、共感者を募ることを大きな狙いとする。

 『SAS』マインド=「常に質の高いサービスを提供し 会社のスキルアップを通じてSAS全メンバーの生活水準の向上を図ると共に社会の笑顔に貢献していく ~すべては笑顔のために~」。

社長と人事担当者と採用について話し合う

 適性検査は、専門業者が作成したものだ。主に数学の問題で、計25問。毎年、エンジニアとして入社するのは文系が6∼7割程になる。それを踏まえ、研修や育成の態勢を整備しているが、新卒時に求めるレベル相当の数学を確実に理解していることはエンジニアをするうえで最低限、必要なのだという。一定の得点をあらかじめ設け、それ以上が通過の条件になる。

 先輩社員との座談会は学生が5∼6人で1つのグループとなり、話し合う。テーマはノーテーマ。ルールもほとんどない。フリーディスカッションを重視したためだ。「皆で自由に話し合う中で人柄などを判断するが、ひとりで時間を独占して話すような人は弊社の価値観には合わない」(青山社長)

 学生に年齢が近い社員が数人参加し、学生からの質問に答える。会社のあるがままの姿を答え、丁寧に説明するようにしている。人事担当者1人がオブザーバーとして同席する。12月時点までに127人が参加し、47人が通過した。

 2次選考は、人事担当者による面接になる。時間は、約30分。この段階での面接官は他社ではエンジニアが多いが、あえて人事担当者にした。テーブルを隔てて対面形式で座るのではなく、横に座る。「素」の部分や本音を引き出すためだ。人柄や経営理念や社風、文化に合う人材かを見極めるのは、社内の隅々まで精通する人事担当者が好ましいと判断したためだ。

 「素養と人柄、志望度(他社との比較など)を中心に聞くことにしている。エントリーシート、適性検査、座談会のディスカッションの内容をもとに、人事責任者を含む採用グループ3人で総合的に判断し、通過者を決める」(管理本部・岡崎夏実氏)

 12月時点までに35人が参加、12人が通過し、「Q&A」に進んだ。経験豊富なエンジニアが相談者となり、学生と1対1で1時間ほど話し合う。仕事だけなく、職場や部署のこと、さらには私生活にまで及ぶ。入社後にたとえば、「こんなはずではなかった」と意識のギャップを感じないようにするのが狙いだ。エンジニアに評点(持ち点)はなく、相談を受ける立場に徹する。これは選考でないので、全員が最終面接に進む。

 最終面接は社長と人事担当者の2人と学生1人で、約1時間~1時間半。ここでも、経営理念についての質問が多い。青山社長いわく「とことん、こだわりたい」。

 「会社説明会で私が説明した『SAS』マインドについて思うことを、様々な観点から聞くようにしている。ワークだけのことを話したり、ライフへの関心や理解に欠しいならば、内定にはならないと思う。ワークとライフを大切にしていくのが、私たちの考えだ。理念に共感してもらい、価値観も似ていると話が弾み、1時間半ほどになることもある。一緒に理想の山を登る人とこそ、仕事をしていきたい」(青山社長)

 今後はマイナビ以外にも、ウォンテッドリーなどにも求人を載せたり、インターンシップをするなどして、学生との折衝の機会を増やしていく予定だ。

  
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