Wedge REPORT

2019年11月27日

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(z_wei/gettyimages)

 今回は、Chatwork事業やソフトウェア販売事業のChatwork(大阪府大阪市、106人、2019年10月末日時点)を紹介する。ビジネスチャット「Chatwork」を運営することで知られる。Chatworkはメッセージのやりとりの他、タスク管理やファイル共有、 ビデオ通話などが可能だ。

 創業は2000年で、設立は04年。11年から、Chatworkのサービスを開始した。IT業界を始め、士業、介護、建設、製造、小売、医療、福祉、教育など幅広い業界で普及している。建築事務所は、建材屋・大工・電気屋・水道屋などとチャットで連携して大幅な効率化を実現した。弁護士事務所はチャットのみで顧問業をおこない、全国に顧問先を増やしてきた。多数のユニークな事例が生まれている。ベトナムやマレーシアなど海外への進出も加速している。

 業績の拡大にともない、19年9月、東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場。経営体制をさらに強化し、採用を積極的に行う。最近3年間の中途採用試験では、約60人を正社員として採用した。職種は開発系(エンジニアなど)23人、ビジネス系(営業やマーケティングなど)24人、管理系(人事や総務、経理など)13人。

 18年秋には、初の新卒採用(20年入社)を実施することを決定した。対象は、専門学校や大学、大学院などの卒業見込み予定者。初めてということもあり、採用予定者数は1人とした。状況いかんで変更する場合があることは、あらかじめ決めておいた。

内田良子氏

 19年1月には、金融機関や小売・流通系での人事・労務の経験(特に働き方改革や女性活躍・外国籍人材の採用など)が豊富な内田良子氏を人事の実務責任者として採用し、態勢を整えた。内田氏は「初めて挑戦する新卒採用でも、Chatworkは十分にイケると思った」と入社直後の状況を振り返る。

 「以前から、エンジニアを始めとした社員たちが職種ごとに求人広告や面接、1日体験入社、課題、内定、内定後の研修までを考え、中途採用を続け、優秀な人材を獲得してきた。スキルが高く、経営理念やカルチャーにマッチする人が多いため、定着率が高い。採用試験はおおむね上手くいっている。このノウハウは、新卒採用にも十分に活かすことができると思った。ノウハウの精度を高めることで、採用の勝ちパターンをつくればきっと大きく成功すると感じた」

 一方で、課題も見つけた。その1つは、管理職などの部下育成力の底上げだ。たとえば、エンジニアなどが数人でチームをつくり、マネージャー(主に課長)が部下育成をすることでチームマネジメントを行っている。このチームに新たに入る場合、従来は中途採用試験を経て採用された即戦力の人材だった。新卒者をチームに受け入れた場合、内田氏は「今後、新人育成の態勢をより一層に整えるが、現時点では、自分で成長しようとする意欲や情熱が特に必要になる。いわば自走式な人材の資質を兼ね備えていることが、何よりも大切」と話す。

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