成長の気づきを本人に与えるようにしたい
私は、業務の遂行と本人の成長が表裏一体であることを意識し、指導をすることに気をつけています。成長を支援するためには、「Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)」をきちんと回すことが必要ですが、特にCheck(評価)が大事です。私の経験論で言えば、部下の仕事の進捗やその都度の状況を確認するのがおろそかになりやすいので、注意をしています。
また、毎朝のミーティングやふだんの話し合いで部下の仕事の状況を詳細に確認するようにしています。朝礼は15分ほどですが、ミーティングは少なくとも20∼30分、長い場合、1時間することもあります。長い?いいえ、そのようには思いません。このくらいに丁寧に確認して、次に生かしていかないと、部下が仕事を時間内で求められたレベルで仕上げるようにはならないと考えているのです。部下も自らの成長を実感することができないから、仕事を楽しめないのではないでしょうか。
その成長をより深く感じてもらえるようにアドバイスをしています。たとえば、「こういうことがこんな具合にできるようになったね」とか、「ここまでできるから、今度はこれをしてみようよ」と言うのです。このフィードバックで「今、ここにいて、今後こうなっていく」という成長のステップが見えるようにしています。成長の気づきを本人に与えるようにしたいのです。
確認する時には、まずは広い範囲のことを尋ねるための質問、たとえば、「進捗はどう?」などと聞きます。「はい」「いいえ」では簡単には答えることができない聞き方をするのです。通常、困っていることは簡単には答えられないようなものだと思います。広い範囲のことを聞くと、返事の内容によってさらに質問して、状況を正確に知ることができるようになります。
双方のやりとりを深くしていくと、自分の言ったことが正確には伝わっていなかったのかもしれないと思う場合があります。そこで、部下のことを「使えない」なんて思いません。「自分が指示を正しく伝えることができなかった」と受け止めています。その大きな理由は、上司である私に何らかの問題があったのだと思います。自分が「使える、使えない」と口にするのは、やはり、抵抗感がありますね。部下からどう思われていると(私が)感じているか? それは、私にはわかりません。どうなのでしょうかね…。「頼りになる」と感じてくれているならば、素直にうれしいです。
職場のパワーハラスメントについて、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、次の6類型を典型例として整理しました。なお、これらは職場のパワーハラスメントに当たりうる行為のすべてについて、網羅するものではないことに留意する必要があります。
1. 身体的な攻撃
暴行・傷害
2. 精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3. 人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
4. 過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5. 過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6. 個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること
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