2022年12月4日(日)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年1月8日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

「弾劾(impeachment)」の削除

 イラン司令官殺害の動機をもう1つ挙げましょう。米メディアは、昨年11月に米議会下院で初の弾劾公聴会が開催されると、連日トランプ弾劾について報道してきました。トランプ大統領は紙面の1面から「弾劾」の文字を削除したかったことは確かです。米国民の目を弾劾からそらすには、対イラン政策において「極端な選択肢」を選ばなければならなかったはずです。それがソレイマニ司令官殺害でした。

 司令官殺害後、米メディアは弾劾よりもイラン危機を大きく扱うようになりました。トランプ大統領は自身のツイッターに「弾劾に時間を浪費するべきではない」「弾劾は即座に終了するべきだ」と投稿し、重要な問題が他にあるとつぶやきました。「米国対イラン」の対立構図をより鮮明にして、米国民の関心を弾劾からイラン危機に向けたかったのでしょう。

 結局、司令官殺害は弾劾と無関係であったとはとても思えません。

  
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