海野素央の Love Trumps Hate

2020年1月16日

»著者プロフィール
著者
閉じる

海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

「極端な選択肢」

 今回の「イラン危機」から、トランプ大統領のある言動が明白になりました。トランプ氏は支持基盤崩壊を阻止するためなら、ソレイマニ司令官殺害といった「極端な選択肢」を選ぶことも辞さないということです。

 となると、仮に支持基盤の一角を成す白人労働者の「トランプ離れ」が起きそうになった場合、おそらく対中貿易交渉で何らかの「極端な選択肢」をとる可能性が高いでしょう。

 実際、民主党候補指名争いを戦っているジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領の支持基盤である中西部の白人労働者票を奪おうとすると、ウクライナに対する軍事支援の保留及びバイデン親子の調査要請という「極端な選択肢」を選びました。今思えば、それは充分納得がいく言動だったのです。

 結局、トランプ大統領の地震の震源地は、常に支持基盤です。それはどのような意味かと言いますと、支持基盤が揺れ動いて離脱の危機にさらされたとき、極端な選択肢を選び、支持者離れを防ぎます。従って、支持基盤と極端な選択肢は密接な関係にあります。

 2020年米大統領選挙の投票日は11月3日です。それまでにトランプ大統領は、他の政権がとってこなかった極端な選択肢を選び、自ら導火線に火をつけ、ギリギリのタイミングで消すというパターンを繰り返して、世界を振り回す可能性は否定できません。

関連記事

新着記事

»もっと見る