2024年4月20日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年1月16日

「極端な選択肢」

 今回の「イラン危機」から、トランプ大統領のある言動が明白になりました。トランプ氏は支持基盤崩壊を阻止するためなら、ソレイマニ司令官殺害といった「極端な選択肢」を選ぶことも辞さないということです。

 となると、仮に支持基盤の一角を成す白人労働者の「トランプ離れ」が起きそうになった場合、おそらく対中貿易交渉で何らかの「極端な選択肢」をとる可能性が高いでしょう。

 実際、民主党候補指名争いを戦っているジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領の支持基盤である中西部の白人労働者票を奪おうとすると、ウクライナに対する軍事支援の保留及びバイデン親子の調査要請という「極端な選択肢」を選びました。今思えば、それは充分納得がいく言動だったのです。

 結局、トランプ大統領の地震の震源地は、常に支持基盤です。それはどのような意味かと言いますと、支持基盤が揺れ動いて離脱の危機にさらされたとき、極端な選択肢を選び、支持者離れを防ぎます。従って、支持基盤と極端な選択肢は密接な関係にあります。

 2020年米大統領選挙の投票日は11月3日です。それまでにトランプ大統領は、他の政権がとってこなかった極端な選択肢を選び、自ら導火線に火をつけ、ギリギリのタイミングで消すというパターンを繰り返して、世界を振り回す可能性は否定できません。


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