2024年5月22日(水)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年1月16日

司令官殺害後の支持率

 ロイター通信とグローバル調査会社イプソスが行った共同世論調査(2020年1月6-7日実施)によれば、トランプ大統領の支持率は41%です。ソレイマニ司令官殺害前後で支持率に大幅な変化はみられませんでした。

 ちなみに、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者殺害を昨年10月に発表したときも、米ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査では、支持率が39%で殆ど影響がありませんでした。

 上で紹介したロイター通信とイプソスの共同世論調査にでは、トランプ大統領の最近の対イラン政策に対して、38%が支持、53%が不支持で、後者が15ポイントも上回っています。米ABCニュースとイプソスによる最新の共同世論調査(2020年1月10-11日実施)においても、同様の結果が出ています。同調査によれば、支持が43%であるのに対して、不支持が56%で、後者が13ポイントリードしています。

 しかも、52%がソレイマニ司令官殺害によって、米国が「より安全でなくなった」と回答しており、「より安全になった」の25%を27ポイント差をつけています。さらに、73%が「イランとの全面戦争の可能性を懸念している」と答えました。

 一方、「イランとの全面戦争の可能性を懸念していない」は27%で、この数字はトランプ支持率の41%を大きく下回りました。つまり、トランプ支持者の中にもイランとの全面戦争の可能性に不安を抱いている者が存在するという意味です。

 トランプ大統領はソレイマニ司令官殺害によって、確かにキリスト教福音派を喜ばせ、米大使館が「第2のベンガジ」になるのを防ぎました。従って、これらの点ではトランプ氏の思惑通りだったのかもしれません。

 しかし、トランプ氏が選んだ「極端な選択肢」は、米国民のみならず全世界に強い懸念を与えたことは間違いありません。今年は、「トランプリスク」が具体的に目に見える形になって現れるでしょう。

  
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