WEDGE REPORT

2020年2月26日

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木村正人 (きむら・まさと)

国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト。元産経新聞ロンドン支局長。米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員、慶應義塾大学法科大学院非常勤講師などを歴任し、2012年独立。近書に『欧州絶望の現場を歩く』(ウェッジ)。
 

 昨年ユニコーン入りを果たした医療支援アプリ、バビロン・ヘルスのアリ・パスラ最高経営責任者(CEO)は「バビロンの使命は地球上の人々に十分な医療アクセスを提供することだ。最近の投資はわが社が世界中の命に接する機会を最大化してくれた。投資家に感謝する」と語る。

 グーグル英国・アイルランドのロナン・ハリス副会長は「次の10年、英国の事業により多くの投資を喜んで行いたい。グーグルは若いハイテク企業が繁栄し、ダイナミックな経済を構築できるよう規模の拡大を支援したい」と言う。

 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンでナノテクの研究グループを主宰する紅林秀和准教授(電子工学)はこう語る。

 「EUを離脱してもEU域内の大学と共同研究する場合、研究費はいずれ申請できるようになると楽観視している人が大方だと思う。自分の周りにも英国を離れた研究者は2~3人いたが、それを補って余りある人材が世界中から集まってくるだけの魅力がまだ英国の大学には残っている」

 「近年、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)という流行(はや)りもあって電子工学科の学生が増え続けている。英国の大学の研究力とブランド力が才能を世界中から惹(ひ)きつける。フィンテックやベンチャー企業など新しいテクノロジーの労働力となり、正のスパイラルが起きている。この流れは重産業から金融そしてソフトウェアテクノロジーにシフトした英国の産業形態にフィットしている」

 EUとの通商交渉の行方はまだ分からない。しかし21世紀型の製造業を興すことで地盤沈下した地方経済を蘇らせて国内経済の〝南北問題〟を解消する一方、大学を中心に世界中から人材を吸い寄せて資本も集める英国の挑戦がこれから始まろうとしている。

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■「AI値付け」の罠  ダイナミックプライシング最前線
Part 1  需給に応じて価格を変動 AIは顧客心理を読み解けるか
Part 2      価格のバロメーター機能を損なえば市場経済の「自殺行為」になりかねない
Column   ビッグデータ大国の中国で企業が価格変動に過敏な理由
Part 3    「泥沼化する価格競争から抜け出す 「高くても売れる」ブランド戦略
Part 4     データに基づく価格変動が社会の非効率を解消する

  
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◆Wedge2020年3月号より

 
 

 

 

 

 


 

 

 

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