島嶼地域は広大なEEZを持ち、水産資源が豊富だ。ここに東日本大震災で被災した東北の漁業・水産業者の活躍の場を見出すこともできる。
震災後、大槌町や、釜石、気仙沼などの被災地で会った若い漁民たちは、英語や環境の違いにより踏み出しきれずにいるようだったが、きっかけをつかめば海外に進出する意欲を持っている。
NZは、第一外国語で日本語を選択する者が最も多く、漁業を握る先住民のマオリには、日本語を使える者も多い。マオリは、日本の事業者と組み養殖などを事業化していくことを強く希望している。
可能性は水産業に限らず、通信事業でも同様だ。島嶼地域では、過去に統治していた旧宗主国の古い通信インフラを依然使っており、事業参入できる余地は大きい。淡水化事業、エネルギー事業、鉱物資源開発やリゾート開発も然りだ。
こうした太平洋島嶼地域へ日本の民間資本をいかに持っていくべきかを考える上で、今回の島サミットで初めて開催するAFDP会議は、非常に意義を持つ。日本の政府首脳と島嶼国首脳が会することも大事だが、現在の日本首脳が毎年変わる状況では、友好関係の構築にも断絶が生じる。民間企業トップと島嶼国首脳が会い、その関係性を継続的にすることが、経済的関係を深めていく上でも絶対に必要だ。そうした機会をぜひ作り出していきたい。
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