2022年8月18日(木)

Washington Files

2020年4月1日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

「密集」「密閉」「密着」の「環境3要件」のすべてを満たしている

 筆者はかつて、米空母「カールビンソン」、ミサイル潜水艦「ジョージ・ワントン」などを取材したことがあったが、兵器類、エンジン関連機器、各種通信装置などが艦内にぎっしり配列され、乗員たちが通路で行きかうのに互いに体をよじらせるほどの窮屈さだった。

 就寝ベッドも蚕棚式に狭い空間に並び、今回のコロナウイルス危機で拡散予防のために回避が求められている「密集」「密閉」「密着」の「環境3要件」のすべてを満たしていることをあらためて痛感させられる。

 政治問題デジタル・メディア「The Hill」によると、クロジア艦長の直訴を受けて、米太平洋艦隊司令部内でもあわただしい動きがみられる中で、ジョン・アキリノ同司令官は報道陣との電話インタビューで「問題は対応のスピードだ。乗員たちの退避が遅れているのは、収容先の確保に時間がかかっているからだ。大至急、ホテル確保や野営病床設置の策を講じている。ただ、原子炉運転などの死活的重要な部門の任務は継続させなければならない」と語った。

 ただ、スタブリス海軍大将も指摘する通り、第7艦隊は「ルーズベルト」以外にも空母戦闘部隊、攻撃型潜水艦多数を広域の太平洋に展開しているだけに、すでに同様のウイルス感染が疑われる事例が今後、次々に報告されることも予想され、深刻化した場合、米海軍プレゼンスそのものにも影響が及ぶことが懸念される。

  
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