2023年2月7日(火)

From LA

2020年4月8日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

低所得層地域で感染拡大

 ロサンゼルスの感染がどこで拡大しているのかを見ると、やはり比較的低所得層の多い地域が目立つ。日雇い的な労働のため、仕事を休むことが出来ない。また大人数が一軒の家に居住しているケースも多い。次に多いのはウエストハリウッドなど、夜の歓楽街の多い場所だ。それに加えて老齢者施設や病院での集団感染も複数報告されている。老齢者施設が閉鎖になれば、行き場を失う高齢者も増える可能性がある。

 こうした人々への受け皿がない、というのが現在のカリフォルニア州の抱える問題だ。緊急事態宣言により、州はホテルなどの建物を強制的に使用する権利を有している。しかし、救済措置としてこうした人々すべてにホテルを提供するだけの財源はない。地震などの災害があるたびに「一時的な復興措置」として消費税率を主に都市部で上げてきたカリフォルニア州だが、今回のウィルス騒動でも収束後に再び消費税率の引き上げが行われるかもしれない。しかし都市封鎖による経済の疲弊で、人々にそれを支払える能力は残されるのか。

 感染拡大を防ぐための外出禁止令が経済に与える打撃は日毎に深まっている。より貧しい人が真っ先にウィルス感染にも経済的困窮にもさらされる現実をいかにして打開することが出来るのか、これはカリフォルニアだけではなく全世界が直面する問題だ。

  
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