定年バックパッカー海外放浪記

2020年4月19日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

おかしなロシア人の登場

朝から賑わうブダペスト中央市場

 6月29日午前、ブダペスト観光初日。ブダペストの自由橋近くのブダペスト中央市場は朝早くから地元の買物客や観光客で賑わっている。中央市場の裏手に小さな公園があったのでベンチで小休止。

 しばらくすると大柄な60歳くらいの欧米男が近づいて来て、何か挨拶していきなりオジサンの真横にぴったりと腰掛けた。そして地図を広げて下手な英語で「ロシアのツーリストだけど両替所を探している」とオジサンに聞いてきた。

 前日周辺の数か所の両替所で交換レートをチェックしたばかりだったので、珍しく親切心をだして中年男の地図を見ながら両替所の場所を教えてやった。

 そのうち、もう一人よれた背広姿の欧米系中年男がやってきた。日本人のオジサンと自称ロシア人に対して「自分はポリスだ。パスポートまたは身分証明書を提示しろ。」と居丈高に要求。

 自称ロシア人は直ぐに反応して、くたびれた背広の懐からパスポートらしきものを取り出してポリス男に手渡した。そしてポリス男は日本のオジサンにパスポートを渡すように督促。

 とっさにニセ警官と判断した。海外で警官が昼中に理由もなくパスポートを要求することはあり得ない。モスクワ、パキスタン、イラン……と何度もニセ警官に遭遇している。

 毎度お決まりのパターンで対応した。ポリス男が理解できるように平易な英語でテキパキとたたみかけた。

 「ミスター、ちょっと待ってくれ。なぜパスポートを提示する必要があるのか。理由はなにか。まず、警官の身分証明書を提示せよ」(Mr. Just moment. Why should I show you passport? Please explain the reason. First of all,show me your Police ID card.)

 ポリス男は懐から身分証明書のようなカードを取り出して遠目に見せた。オジサンがすかさずカードを奪い取って子細に点検しようとすると「OK、OK問題ない。この外国人が怪しいからチェックした。このあたりは危険だから注意するように」ともっともらしいことを言いながら周囲を見回して足早に去った。いつの間にか自称ロシア人も消えていた。

海外ではポリスと称する人間にパスポート・財布を見せてはいけない

 自称ロシア人とニセ警官はグルだったのだ。最近はニセ警官詐欺も巧妙になってきたようだ。

 もし観光客がパスポートを渡せば、その次は外国為替の不正取引の疑いがあるとか難癖つけて財布を出せと要求して、財布を渡した瞬間にニセ警官と自称ロシア人は別方向に逃走するというシナリオであろう。

 もし強引にニセ警官にパスポートの提示を要求されたら「ホテルに置いてあるので一緒にホテルまで来てくれ」と回答すると、経験上100%ニセ警官は諦める。とにかくパスポートは見せないことが肝要である。

→次回につづく

  
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