プロにも危険な兆候は見られる
アマだけではない。プロにも危険な兆候は見られる。NPB(日本野球機構)とJリーグが共同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」で有識者の専門家から「我々は延期ありきではない」との声が出ているが、その言葉を運営団体及び経営者たちは無理矢理に引き出させて免罪符とし、何とか「開幕ありき」の方向へ持っていこうとするフシも感じ取れる。
その傾向はどちらかと言えば、プロ野球界のNPBのほうが強いかもしれない。緊急事態宣言が発令されている中でも、NPBは一部の幹部が取材に対し、白紙に戻されているセ・パ両リーグの公式戦の新たな開幕日を今月下旬から5月上旬に決めたいとするスケジュールに変更はないことを強調している。「新型コロナウイルス対策連絡会議」後に12球団代表者会議を開き、開幕日決定へ向け議論を進めていくつもりのようだが、何をそんなに焦っているのだろうか。感染者が激増する世の中の状況を無視する行為ととらわれかねないし「プロ野球だけが特別なのか」と批判を浴びたとしても仕方がない。セ・リーグ在京球団の主力選手も「これはハッキリと書いておいてください」と念を押し、こう続けている。
「こんなに危険な状況が続いているのに『開幕日を決めたい』なんて言葉を出すこと自体が、間違っている。それこそプロ野球のイメージが悪くなります。一刻も早く野球をやりたいのは山々ですが、その言葉は飲み込まないと。今はまず感染を抑えることが第一。皆の命がかかっている」
前出の張本氏も出演番組内で「これは戦いですね。絶対(油断は)できません」と言葉に力を込めていたことを最後に補足しておく。野球界も今は耐え忍ばねばならない。ひとまず試合のことは封印し、まずは国民の命を守る行動に寄与すべきである。
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