2024年4月24日(水)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年5月25日

 しかし、NPR(米公共ラジオ)によれば、WHO及び台湾はこの事実を否定しています。

 「20年1月21日、中国の習近平国家主席と会談を行った後、あなたは中国政府の『透明性』について称賛した」「あなたは中国政府がウイルスについて口を開いた医者を黙らせたり罰したりした点には触れなかった」「あなたは中国の圧力に屈した」と、テドロス氏個人の責任を厳しく追及しました。

 ただ、トランプ大統領は「透明性」に関して1月24日、「中国はコロナウイルスを封じ込めるために、一生懸命やっている。米国は彼らの努力と透明性に大変感謝している」と、自身のツイッターでつぶやいています。実は、トランプ氏は中国に対してテドロス氏と同じ立場をとっていました。

テドロス事務局長に「脅し」をかける

 20年3月3日、WHOは中国政府のデータを引用して、新型コロナウイルスはインフルエンザのように効率的に伝染しないと発表して、ウイルスの重大な危険性を軽視したと書簡に記しています。

 このようにトランプ大統領は次々と「エビデンス」を突きつけた後で、テドロス事務局長に「脅し」をかけました。

 「30日以内に『本質的改善』が見られなければ、WHOへの拠出金を恒久的に停止し、しかも脱退を再考する」と警告を発して、かなり強硬な姿勢に出ました。これではまるで「最後通牒」のようです。

 結局、「要点」「エビデンス」「脅し」を通じて、テドロス事務局長に最大限の圧力をかけて行動変容を促そうとしました。


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