田部康喜のTV読本

2020年5月28日

»著者プロフィール
著者
閉じる

田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

中国での新型コロナの真相も追及

 オープンソース・インベスティゲーションの最も重要な対象が、中国である。オーストラリア戦略研究所は、中国の新疆ウイグル自治区のウイグル族ついて追究している。

 調査メンバーのネイサン・ルーサーは、新疆・ウイグル自治区において、中国が「職業訓練施設」だとしている建物の衛星写真を分析した結果、収容所と断定している。

 「施設の警備は厳重だ。六重の壁に囲まれたうえに、有刺鉄線がみえる」

 中国国内のウエブサイトで、施設の建設の入札条件を探ると、「隔離」「監視システム」という言葉が出てくる。ネイサンによると、新疆・ウイグル自治区でこうした施設は200以上もあり、その数は増えている。さらに、収容者がバスに乗せられて工場労働に駆り出されている様子も確認されている。

 世界を揺さぶっている、新型コロナウイルスをめぐる報道のなかで、NYTのビジュアル・インベスティゲーション・チームは、都市封鎖された武漢の実情を伝えるSNSの映像に注目した。マンションの上層階で「助けてくれ!」と叫ぶ女性。防護服を着て、感染者の収容にあたっている医療関係者が「もうだめだ。助けてくれ」という映像などである。

 それらの映像が次々に中国の当局によって、削除されていった。しかし、同じ映像が当局の手の及ばないYouTubeやGitHubにあげられていく。当局によって逮捕される可能性もありながら、映像を転送し続けるのか。5人の若者を特定して、彼らの声をNYTの映像ニュースのなかで流した。

 チームのプロデューサーは「武漢は4月に封鎖が解除されたが、これからも調査を続ける。いかに透明性をもって追及している。より信頼されるブランドのために」と、語る

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る