2024年6月15日(土)

古希バックパッカー海外放浪記

2020年6月14日

引きこもりは日韓だけの特異現象?

ポーランド統一労働者党(旧共産主義支配政党)の党本部ビル。現在は国土省や民間金融機関が入居している

 朴氏の同年代の友人知人でも子供のパラサイト問題を抱えるシニアは少なくないようだ。

 欧米人から日本における子供のパラサイト問題は日本だけの特殊な問題であると何度か指摘されたことがある。欧米では高校を卒業したら進学や就職を機に子供は家を出て独立するのが当然なので、成人した子供が引きこもって親に寄生することは“あり得ない”ようだ。

 例えば、カナダの19歳の大学生によると彼女の兄は極端に内気な性格で高校を中退してブラブラしていた。しかし父親が無理矢理に家から追い出してしまったので現在はアパートで自活していると語っていた。

 カナダでは彼女の兄のように精神的に自立が困難な成人に対して行政やNPOなどが本人と面談しながら物心両面で支援する制度があるので家族が問題を抱え込むことはないとのことだった。

 引きこもりは日韓に特有の家庭問題なのだろうか。

韓国で静かに進行するシニア世代の家庭内別居

ワルシャワの旧市街広場

 筆者は旅行中数日おきに日本の自宅に簡単な安否確認のメールを送ることにしている。朴氏は旅行中自宅とはまったく連絡を取らないと聞いて驚いた。理由を聞くと奥さんとは同じマンションで暮らしているが日常的に挨拶程度しか会話しない。引退後何年も家庭内別居が続いているという。

 今回も出発前日に「3カ月留守にする」と知らせただけ。韓国社会では“離婚は世間体が悪い”という観念が強いため家庭内別居という『隠れ離婚』多いとのこと。

 それに経済的にも離婚して別居するのはお互いに費用負担が大きいので韓国では家庭内別居が多いという。従って統計上の数字に出ない実質的離婚率は相当高いとの解説であった。

 家庭内別居も欧米では聞いたことがない。

ソウル近郊ハイキングは熟年ロマンスのメッカ

 朴氏の趣味は海外旅行とハイキング。複数のハイキング同好会に入っており毎週ソウル郊外の山歩きをしている。

 同好会には40代や50代の女性が多く彼女たちの多くは独身か家庭内別居中という。そして同好会の女性たちはなかなかオープンで積極的らしい。

 朴氏は健康増進とアバンチュールという一石二鳥を求めてハイキングをエンジョイしているとニンマリ。これが若返りの秘訣というチョイワル系シニアであった。

日韓相互理解のための第一歩

 日韓両国には歴史認識という深刻な政治問題があるが、手始めに子供の引きこもりや家庭内別居など共通の社会問題を両国の専門家で共同研究したらどうだろうか。

 日韓に共通する社会問題を相互認識したら両国民の間に広がる溝が少しは埋まるのではないか。朴氏の話を聞きながらそんなことを考えた。

次回に続く

  
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