寄港地の経済に打撃
政府は20年にはクルーズ船による訪日外国人を500万人という目標を設定していたが、感染が終息しない現段階では不可能だ。
この数年は外国籍の大型クルーズ船の日本各地での寄港が増加、寄港地では岸壁やターミナルを新増設するなど、受け入れ態勢を整備してきた。しかし、クルーズ船の運航が長期間ストップしたことにより現状では当てが外れた形で、長崎や福岡市など観光で潤っていた寄港地の経済にも深刻な打撃を与えている。
東京都港湾局が運営する東京港では、大型クルーズ船が大きすぎてレインボーブリッジをくぐれない不都合が起きていたため、東京オリンピック開催に備えて、同ブリッジの手前に22万トン級の超大型クルーズ船も接岸できる「東京国際クルーズターミナル」を390億円かけて整備した。当初は7月にオープンする予定だったがクルーズ船の寄港が当面はないため開業の延期を発表している。
このほか横浜港、博多港なども将来の寄港増加を見込んでターミナルを拡充してきたが、しばらくは開店休業となりそうだ。
米国は9月末まで運航停止
クルーズの本場の米国では大型船20隻以上で感染者を出したことから、長期間運航停止になり、クルーズビジネスは大きな被害を受けた。米国の疾病予防管理センター(CDC)は、4月9日にクルーズ船は感染リスクが高いとして、100日間の運航停止を決定した。その後、CDCは7月17日に、米国内で感染が拡大していることを理由に、運航停止命令を9月末まで延期している。
参考
「飛鳥Ⅱ」のホームページ
https://www.asukacruise.co.jp/
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