2022年8月8日(月)

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2020年8月3日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

マスクを強制的に着用させることは個人の権利を侵害している

 ともかくも、今やホットスポットとなってしまったカリフォルニア、特にロサンゼルスだが、筆者の感覚ではマスク着用率は40%程度だろうか。ゴルフ場などでも「同一世帯の家族とプレーする場合はプレー中に限りマスクを外しても良い」というルールがあるが、実際にはほとんどの人がノーマスクでプレーしている。3人で行くと1人来場者と組み合わされることがあり、ノーマスクの見知らぬ人とプレーさせられる、というとんでもない状況なのだ。

 また、共和党支持者には「コロナなんて大したことはない。政府が発表する数字は信用できない」という考えを持つ人が多いように感じられる。 どういう計算なのか理解に苦しむが、コロナの死亡率は0.02%程度でその多くが65歳以上だから、というのが理由らしい。確かに米国ではコロナによる死亡者の実に74%が65歳以上の高齢者だ。しかし高齢者が多く死亡するからコロナは若い人にとっては大したことはない、という考えは間違っている。若い人でも重症化し、死亡しなくても重い後遺症があるケースも報告されている。コロナが今以上広がって良いことなど何一つない。

 しかし彼らは「マスクは息苦しく、マスク着用はウィルス防止にはならない。何より、マスクを強制的に着用させることは個人の権利を侵害している」という理由でマスクを拒否しているのである。先日には航空機の中でマスク着用を訴える職員に対し「自分は身体的理由でマスクが着用できない」と主張し、その理由を問われて「患者の病状に対する秘匿義務がある」と拒否した男性がいた。この男性はその一部始終を自らビデオで撮影し、SNSで拡散、航空会社によるマスク着用義務は憲法違反だと訴えている。

 ウィルスはじわりじわりと身近に迫っているが、今の政府には拡散防止のための強力な政策を取る余力すら残されていないように見える。病院勤務の友人は「まだICUには余裕があるが、時間の問題だ」と嘆いている。ロックダウンを行った3月よりも今の状況は深刻なのだ、と理解する人はあまりにも少ない。

  
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